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球界デキゴトロジー/7月9日

ソフトバンク・杉内俊哉が通算100勝を達成(2011年7月9日)

 

215試合目での100勝はドラフト制後25人目のスピード記録だった


 プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は7月9日だ。
 
 故障との闘いがずいぶん長くなってしまった。

 2016、17年に続き、今季もまだ登板のない巨人杉内俊哉。7月9日は、九州ラストイヤーの記録達成日だ。

 2011年、ソフトバンク時代である。

 7月9日、ヤフードームでのロッテ戦で8回を6安打無失点に抑え、プロ10年目での通算100勝目(シーズン5勝目)をマークした。
 王手をかけてから1カ月勝ちに見放されてきただけに、「ホッとしています」という言葉は本音だろう。

 立ち上がりは制球が定まらずピンチを背負った。だが3回に松中信彦の2ラン、松田宣浩のソロと援護の一発が飛び出すと、以降は徐々に変化球のキレを取り戻す。この年史上3番目の速さで1500奪三振に達したドクターKがわずか三振6つだから、決して本調子とは言えないが、それでも8回を116球でしのぎ切り、勝利投手となった(スコアは4対0)。

 前年、開幕前に掲げた目標は21勝。その時点で通算は79勝であり、「(10月に)30歳になるまでに100勝を」という意気込みの表れだった。結果は16勝だったが、キャリアハイの05年18勝に続く成績。同世代の和田毅(17勝)と競い合うように白星を積み重ね、チームを7年ぶり優勝に導いた。

 お立ち台で「次の大きな目標を」とインタビュアーに振られた杉内は、「まず、次の101勝目」と語って場内を沸かせたが、冗談で隠した言葉は名球会、200勝だったはず。

 現在の142勝は、15年途中から変わっていない。
 同期の松坂大輔中日)、和田をはじめ、いわゆる「松坂世代」は、年齢もあって、試練の時期にある選手がほとんどだ。

 杉内もその一人である。故障のつらさは他人にはわからないが、このまま終わってほしくない選手であることは間違いない。

 
写真=BBM
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