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高城俊人 新天地オリックスでも最高の女房役へ

 

昨年の日本シリーズ第4戦では濱口(写真左)とともにお立ち台に立った


 オリックス伊藤光赤間謙DeNA高城俊人白崎浩之のトレードは本人たちもそろって「突然のことで……」と口をそろえるように、予想外のトレードだった。

 2013年に期待の大型内野手としてドラフト1位で入団した白崎と同様に、プロ入り7年目の捕手、高城(12年ドラフト2位入団)の移籍には驚かされた。ラミレス監督が「2016年には山口(俊、現巨人)を10勝させ、昨年は濱口(遥大)を10勝させた」と功績を語るように、DeNAでは投手に寄り添い、引き立て役に徹することができる捕手だった。14年の井納翔一に始まり、一人の投手の“専属”を任されることが多かった点も捕手としての特徴だ。

 一軍で最多となる64試合に出場した15年は、“ハマの番長”こと三浦大輔と組んで好リード。5月5日のヤクルト戦(横浜)では、プロ初本塁打となる2ラン&勝ち越しタイムリーを放ち、三浦の23年連続勝利を演出してみせた。

 その“番長”の引退試合となった16年最終戦でマスクをかぶったのも高城だった(9月29日ヤクルト戦、横浜)。7回、“最後の打者”と対戦するためにマウンドへ向かう三浦に「全部、真っすぐでいきましょう」と声をかけ、号泣しながらリードした場面を思い出すベイファンは多いはずだ。

 そして、最も印象深かったのが昨年のソフトバンクとの日本シリーズだ。レギュラーシーズンから濱口とコンビを組み、ルーキー左腕を2ケタ勝利へと導いた。そんな九州出身バッテリーが大舞台で最高の仕事をやってのける。第4戦の先発を託された濱口と高城は、8回一死までノーヒット・ノーランを演じ、シリーズ3連敗で崖っぷちに立たされていたチームを救った。

 強力鷹打線に対して、チェンジアップ、フォーク、カーブ、スライダーとあらゆる球種を組み合わせた配球はもちろん、“じゃじゃ馬”のような濱口をリードする手綱さばきが光った。しかも、レギュラーシーズンでは0本塁打だったバットから援護弾となるアーチが飛び出すなど、力投する後輩を献身的に支えた姿が印象に残る。

 高城は間もなく入団会見を終え、オリックスでの生活がスタートする。新天地でも投手陣のよき“女房役”となることを期待したい。

文=滝川和臣 写真=小山真司
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