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週刊ベースボール60周年記念企画

西本幸雄が語るビンタの理由/週べ1963年4月1日号

 

 今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

ついにON砲登場!


表紙は国鉄・豊田泰光



 今回は『1963年4月1日号』。定価は40円だ。

 前回の阪急・西本幸雄監督のビンタ問題があらためて特集されていた。
 基本は前回と同じだが、西本監督の言葉があったので掲載しておく。

「白い歯を見せる者が一人でもいたら強くなれん。そういう甘い考えではいかん。あのときはフリーバッティングに投げる予定だったのに、ろくに練習をしていなかった。
 新人がグラウンドに出て、ぼんやり突っ立っている。こういう態度はユニフォームを着ているときの態度ではない。動くにしても、ただ漠然と動き回っていては何にもならない。見るだけでも一生けん命見る。何かをつかもうという気持ちでなければいかん。
 こういうことが分かっていてもやろうとしない選手がいる。これを直さなければいかん。僕の気持ちは、そういうところにあったのです」

 いろいろな立場からの意見が載ってた。

 思ったのは、当時でも人前で体罰は大きな衝撃だったんだ、ということ。
 そして、西本監督のその批判に対し、マスコミに対し、逃げずに答えているということ。
 
 体罰を肯定はしないし、西本監督だから「愛のムチ」という気もない。
 ただ、この人がある種の覚悟を持った指揮官であったことは伝わる。

 MVPの最高殊勲選手が最優秀選手賞に変わった。これは従来の優勝チームから選ぶのではなく、あくまで個人の成績本位で、ということらしい。

 今回は、巻頭が「実践倫理宏正会と川上巨人の妙な関係」。宗教を別にタブーにするつもりはないが、どうも話が行ったり来たりでよくわからない。
 当企画の担当者が不勉強ということでご勘弁いただきたい。

 巻頭グラビア記事は『火を吐く巨人のON砲』。一部抜粋しておこう。

「王、長嶋のコンビにON砲という新しい呼び名が冠された。二人ともイニシャルを取った呼び名に満足だが、海の向こうのMM砲(マリス─マントル)、KC砲(ケーライン─コラビト)に匹敵する看板打線が日本にもできたわけである。二人のバットが火を吐くとき、巨人は5−6点を一挙に獲得する威力を見せている。猛打巨人の復活はON砲の誕生にあった」




 またあした。

<次回に続く>
週刊ベースボール編集部

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