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編集部コラム「Every Day BASEBALL」

阪神・メッセンジャーが日本で長くプレーできる秘訣とは?

 

日本の野球も文化も受け入れ9年目となったメッセンジャー。1つのチームだけに在籍し国内FA権を取得したのは誇りだ、と語る


 今年4月に国内FA権を取得した阪神のメッセンジャーがこんなことを話した。「僕が阪神に来てから、ナバーロが阪神に入団して20人目の外国人になるよ」と。9年目で20人はやや多いと思うが、それだけ日本の野球になじめずに自由契約となる外国人選手が多いのも事実だ。

 毎年春先、メッセンジャーは「優勝する」と宣言している。同時に、新しく来日した助っ人たちに、日本でプレーし目標を達成(好成績を残す)するには何が大事かを話しているという。すべては1日でも早く日本の野球に慣れ、チームに貢献してほしい。そして優勝を狙えるシーズンにしたい、という願いがこもっているからだ。

「僕のアドバイスを聞いてくれなかった選手たちは1年でアメリカに帰っている。だからこそ国内FA権を取得したことで、僕の言葉に説得力が増すと思っている」とはメッセンジャー。

 野球の発祥の地であるアメリカを離れ、日本でプレーすることでプライドを捨てなければいけない部分もあるだろう。しかし、自分が日本で設定した目標を達成するのと、どちらが大事なのか……。その答えがメッセンジャーの9年間の成績に現れている。

「keep open-mind」「do not get comfortable」「learn something」という言葉が、目標を達成するのに重要だとメッセンジャーは話す。常に心を開き、いろいろなことを吸収し学ぶ心を持つこと。そして一番大事なのは「偉ぶらないこと」だという。成功者となったとしても、常に謙虚な心を持つことが、異国の地で成功する秘訣。それは母国でも、成功を収めるには重要なことであり、どの世界においても通じる3つのキーワードだろう。

「いつも心を開きながら、学ぶ姿勢を崩さず、偉ぶらない」。実行するにはなかなか難しいことだ。すべては阪神で優勝をするためにメッセンジャー自身もそれを課し、外国人選手たちにも説いていく。この思いが同僚外国人選手の心にマッチしたとき、阪神は優勝争いに食い込んでいくのだろう。

 
文=椎屋博幸 写真=毛受亮介
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