プロ初勝利の石井を祝福する河村保彦投手コーチ
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は8月3日だ。
正式決定ではないのだろうが、先日、来季から
楽天GMへの就任が一斉に報じられた
石井一久氏。現在は吉本興業の社員だが、二足のわらじになるなら、それはそれでこの人らしい。
1993年、前年優勝を飾った
ヤクルトだが序盤は5位と低迷。その後、スーパールーキー、
伊藤智仁の大活躍もあって5月23日に首位に立つと、そのまま明け渡すことなく、連覇、さらに前年は届かなかった日本一も達成している。
同年8月3日は、
阪神戦(甲子園)で石井がプロ初勝利を挙げた日だ。
石井は92年のドラフト1位選手。1年目は、レギュラーシーズンは12試合登板で未勝利ながら
西武との日本シリーズで先発し、話題になった。
93年は7月28日の
巨人戦(神宮)に先発も4失点でプロ初黒星。8月3日は、シーズン3試合目の先発で、雨による5回
コールドながら5奪三振、1失点“完投”。ついに初白星を挙げた。
3回には無死満塁のピンチもあったが「腕が縮んでいるのが自分でも分かっていましたが、気持ちで負けないようにした」と切り抜けた。
入団時からその素質を高く評価していた
野村克也監督も「石井らしい勝利や」とニヤリ。
ただ、石井は制球難にも苦しみ、同年3勝どまり。本格ブレークは少し先になる。
ちなみにいまは若手の初勝利は監督との握手写真が定番だが、石井は河村保彦投手コーチとの握手。当時はまだそんな慣例がなかったのか、はたまたノムさんが面倒くさがったのか。
写真=BBM