広島打線の不思議な数字
ヤングマン、
メルセデスと新戦力の先発投手の台頭で
巨人が7連勝。これで一気に広島との差を詰めるかと思いましたが、7月20日からマツダ広島での3連戦で逆に一気に差を引き離されました。8月1日現在では、2位・巨人と首位・広島は10.5ゲーム差です。これだけ離れると、先に気持ちが折れてしまいかねません。
広島はチーム防御率3.99、打率も.262。どちらも、これだけの独走をしているチームとは思えない数字です。ただ、得点はリーグ最多の459。こちらは2位以下との試合数を考えれば、随分引き離していると言っていいでしょう。
これはリーグ1位のホームランの数と打線のつながりでしょうね。
好調な八番打者
一番のキーマンは、やはり三番の
丸佳浩選手でしょう。出塁率.497は驚異的な数字です。故障離脱があって71試合の出場ながら、すでに20本塁打も素晴らしいですね。
そして、もう一人、隠れた打線のキーマンが、八番バッターである捕手の
會澤翼選手です。會澤選手は現在、規定打席には足りない状態ですが、打率.320のまま到達したら、打率上位に躍り出ます。
バッティングに関しては、キャッチャーらしく読みがいいですね。厳しいインコースも苦にせず、外の球なら右方向に強い打球が打てます。勝負強さもあるし、ここぞという場面では長打もあります。
さらに言えば、八番という打順にいるのも大きいでしょうね。広島は、ここまで六番に入ることが多かった
野間峻祥選手、
西川龍馬選手の調子が良かったので、會澤選手の打席に得点チャンスが回ってくることが多かったし、會澤選手がチャンスを作って、上位の“タナキクマル”につなぐこともありました。
こうなると、下位でも打線がまったく途切れず、相手投手も、どの打順から始まるイニングでも息が抜けません。結局は終盤に根負けし、つかまって逆転負けというパターンになりやすいのでしょう。
このまま広島が走ってしまうのか、他球団が意地を見せるのか。カープ下位打線、特に会澤選手をいかに調子づかせないかがポイントになるのかもしれません。
写真=BBM