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甲子園ヒーロー列伝

海星・酒井圭一、サッシーと呼ばれた怪物投手(甲子園ヒーロー列伝/14)

 

甲子園でも好投を見せたが、球は速いというより重い印象があった


 100回の記念大会を迎える夏の甲子園。週べオンラインでも甲子園を沸かせた伝説のヒーローたちを紹介していこう。

 昭和40年代後半から50年代前半、未確認生物が流行った(?)時期がある。
 
 イギリスのネス湖で目撃証言があった恐竜の生き残り、首長竜の「ネッシー」は昔から有名だったが、日本でも屈斜路湖で「クッシー」が目撃されたと言われ、子どもたちは「ツチノコ」探しで草むらを歩きまわった。

 高校球界に怪物「サッシ―」が登場したのは、1976年夏だった。長崎県大会3回戦で海星高のエース、酒井圭一が島原中央戦で1回の先頭打者から6回一死まで16人連続三振を奪い、話題となった。
 
 壱岐島で生まれで、高校まではまったく無名。地方大会の映像が全国に出回る時代ではなく、酒井の名は「未知なる大投手」と話題となり、いつしか愛称も「サッシ―」で定着したのだ。

 甲子園でも実力を発揮。1回戦の徳島商戦(徳島)は1対1のまま延長戦に突入し、10回裏サヨナラ勝利(2対1)、2回戦の福井戦(福井)は4回一死まで走者許さず、2安打で無四球完封勝利、続く崇徳(広島)も3安打完封、準々決勝の東北は6回まで無安打、エラー絡みで2失点を許したものの被安打3で完投勝利を飾った。

 準決勝は2対2で延長11回、PLに敗れたが、ここも被安打わずかに5だ。
 酒井は試合後、「甲子園は投げやすく、力は出し切った」と言いながらも、
「負けて満足なわけはありません」と言い切った。

 その後、ヤクルトに入団もプロでは故障もあって伸び悩んだ。
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