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都道府県別ドリームチーム

【埼玉県】90年代の“負けないエース”と攻守の実力者たち/都道府県別ドリームチーム

 

いよいよ第100回の大きな節目を迎える夏の甲子園。その歴史にこそ届かないが、80年を超えるプロ野球を彩ってきた選手たちによる出身地別のドリームチームを編成してみた。優勝旗が翻るのは、どの都道府県か……?

ライオンズの置き土産?



 西部の秩父は自然も豊かな山岳地帯で、名産には狭山茶や深谷ネギなどの農産物もあるが、南を東京都に接し、そのベッドタウンとしてのイメージも強い埼玉県。野球でも東京都のつながりが強く、タレントとしてブレークしている長嶋一茂ヤクルトほか)は東京都出身で埼玉の立教新座高を卒業しており、逆に東京都の帝京高で甲子園にも出場してノーヒットノーランも達成した芝草宇宙日本ハム)は埼玉県出身だ。

 プロ野球では1979年から所沢が西武の本拠地に。出身プロ野球選手も西武の選手は少なくないが、前身の西鉄が黄金時代を築いた九州は福岡で、新たな黄金時代を謳歌しているソフトバンクの現役選手が、ここでは一、二番コンビだ。

【埼玉ドリームチーム】
一(中)上林誠知(ソフトバンク)★

二(左)中村晃(ソフトバンク)★

三(二)山崎裕之(西武ほか)

四(捕)松原誠(大洋ほか)

五(一)鈴木健(西武ほか)

六(右)嶋重宣広島ほか)

七(三)仁村徹中日ほか)

八(遊)奈良原浩(西武ほか)

九(投)斎藤雅樹(巨人)
(★は現役)

 リードオフマンには期待も込めて2017年にブレークしたばかりの上林誠知を据えたが、一番打者としての実績は中村晃に軍配。好不調や相手投手によって、中村と上林という順でもいい。主に中堅を守った外野手が少ないことから、上林が中堅に入り、中村がメーンの左翼を守る。

 残る右翼は嶋重宣で、広島時代の04年に首位打者となって“赤ゴジラ”と呼ばれた巧打者だが、最後は西武で現役を引退した。同じく外野手で“こけしバット”の山崎賢一(大洋ほか)は所沢商高の出身ながら九州のダイエーで引退。天才的な打撃センスを誇った石井義人(西武ほか)は3球団でプレーしたが、全盛期は西武時代だ。

 内野陣は西武に縁が深い選手がそろう。例外は仁村徹で、中日時代は正二塁手だったが、ここでは三塁に。二塁は通算2000安打にも到達した山崎裕之が譲らない。

 二遊間を組む奈良原浩も職人タイプ。一塁には強打者が重なったが、一塁と三塁がほとんどだった鈴木健が一塁に残る。“股割りキャッチ”が見せ場でもあった松原誠は“本職”の捕手へ。打順も四番打者として、攻守の要となる。

 捕手では現役に若月健矢オリックス)、松原と同様に一塁も守る原口文仁阪神)が、現役では内野に外野もこなす松本剛(日本ハム)もいて、控えも充実。守備も内外野とも盤石だ。

豊富なリリーバー



 エースは1990年代に最強と評された斎藤雅樹。二枚看板となるのが63年に26勝を挙げた稲川誠だ。

 スターターには05年に最多奪三振となった門倉健(横浜ほか)、現役の大竹寛(巨人)もいるが、特徴的なのはリリーバーの充実ぶりで、セットアッパーは芝草と三沢興一(巨人ほか)。

 ここでクローザーを担うのは07年、セットアッパーとしてプロ野球記録の90試合に投げまくった久保田智之(阪神)だ。打線と対照的に西武カラーが弱い投手陣にあって、小林宏之小林宏ロッテほか)は西武で引退し、先発でも救援でも計算できる貴重な存在でもある。

 打線も山崎、松原ら名球会の好打者は山崎が通算200本塁打、松原は300本塁打も超えていて、西武で四番も担った鈴木が続くクリーンアップは破壊力も申し分なく、六番からは嶋に仁村、奈良原と巧打者が並んで切れ目はない。

 投打とも大スターはいないが実力者ぞろい。優勝争いにも食い込みそうだ。

写真=BBM
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