最注目は大阪桐蔭のメンバー
いよいよ開幕する第100回全国高等学校野球選手権記念大会。今夏の聖地を彩る注目の球児を見ていこう。
注目は、やはり今春のセンバツを制し、史上初の2度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭のメンバーだ。根尾昂は投手と遊撃手を兼務し、投げては最速148キロ、打ってはシュアな打撃を見せるなど“三刀流”。攻撃の軸となる
藤原恭大は好打に加えてスピードで相手を圧倒し、スキあらば次塁をうかがう。右の
柿木蓮、左の
横川凱とプロも注目する選手がズラリと並ぶ。
夏連覇を期す花咲徳栄には昨夏も四番を打った
野村佑希が、エースナンバーを背負って聖地帰還。最速146キロの直球に、自慢の豪打も高校通算56本塁打に伸ばしている。
さらに、今夏は新星も。金足農の右腕・
吉田輝星は秋田大会を2回戦から決勝までの全5試合を一人で投げ抜くスタミナに加え、最速150キロの直球は威力十分。43イニングで57の三振を奪い、甲子園切符を手に。今夏、全国の注目を浴びる右腕が甲子園デビューを果たす。
“センバツ出場組”では、最速150キロ右腕で、打っても中軸を担う中央学院・
大谷拓海が、5月末に頭部死球を受け、1カ月以上チームから離脱するも、最後の夏には間に合い、春夏連続切符をつかんだ。昨秋の神宮大会で大阪桐蔭を破った創成館の大型左腕エース・
川原陸も春夏連続出場。川原は体のバネがあり、タテ、ヨコのスライダーなど多彩な変化球で打者を翻ろうする。
ほかにも左腕は豊富で、大阪桐蔭・根尾と中学時代(飛騨高山ボーイズ)にプレーした山梨学院のエース左腕・
垣越建伸は、バランスの良いフォームから最速146キロの直球、スライダーも織り交ぜ、完成度の高い投球を見せる。最速148キロの高岡商・
山田龍聖は、高い奪三振率を誇り、プロ球団が興味を示すなど、注目踏投手の一人。山田は昨春、夏の甲子園も経験しており、自身3度目の大舞台で成長を示す。
野手では、昨秋のU-18W杯で日本の正遊撃手を務めた報徳学園・
小園海斗や、安定した遊撃守備を見せる日大三の主将・
日置航、石川大会決勝で同大会記録となる1試合4本塁打を放った星稜・竹谷理央ら、好打者がズラリ。1年時から名門・横浜でベンチ入りしてきた
万波中正の打球飛距離は規格外で、今春センバツ準優勝の智弁和歌山・
林晃汰のパワーも超高校級と、長距離砲も多数いる。昨年は、大会史上最多の1大会68本塁打が飛び交うなど、近年は球児の打力が向上しているとあって、今夏もバットで観衆を沸かせる選手が現れるかもしれない。
プロのスカウトも注目する選手も多く出場する今夏の甲子園。開幕後に評価を上げる選手も少なくはないだけに、球児たちの一投一打から目が離せない。
写真=BBM