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セ・リーグ6球団“ドラフト1位”の現在地は?

 

即戦力か、育成か。さまざまな期待を込められてプロの世界に足を踏み入れたドラフト1位。今季、入団した“金の卵”たちの現在地は果たして? ここではセ・リーグ6球団の2018年ドラフト1位選手の現状を見ていこう。

広島カープ



 8月4日現在、先発出場、途中出場織り交ぜてファームで61試合に出場、実戦経験を積んでいる。打率は.212とあまり上がっていないが、本塁打は3本。ここへきて盗塁阻止率を.290と上げてきたほか、盗塁も5個決めて捕手としては珍しく足のあるところを見せるなど、肩や足で光るプレーは随所に見せている。まだプロとしてはやや線の細い印象もあり、体づくりを含めて、じっくりと力を蓄えているところだ。

東京ヤクルトスワローズ



 プロ入り後に捕手から内野手へ転向し、ファームでの英才教育を受けている真っただ中の村上宗隆。イースタン・リーグの個人成績では、あらゆる部門でトップに名を連ねている。8月4日現在で15本塁打は同じくルーキーの清宮幸太郎日本ハム)と並んでリーグトップ。96安打、52得点、53四球も単独トップとなっている。特筆すべき数字はそれだけではない。16盗塁は同僚・山崎晃大朗の17に次ぐリーグ2位の好成績。打って走ってアピールを続けている。それでもチームの育成方針は変わらない。数年後、山田哲人のようなブレークが期待される。

読売ジャイアンツ



 立ちはだかる分厚いカベの前に、打ちのめされた。中大の先輩で同じくドラフト1位で1年目に11勝を挙げた澤村拓一のように、即戦力が期待された鍬原拓也だが、右ヒジの状態不安で春季キャンプを三軍スタートと出遅れ、一軍初登板は5月31日の日本ハム戦(東京ドーム)までずれ込んだ。3度目の登板となった6月17日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で初勝利を手にしたが、6回途中4失点と内容には苦しみ、同26日の広島戦(マツダ広島)では、四死球で走者を溜めて痛打を浴びるなど散々。3回途中KOと安定感に欠くことから、1度の中継ぎ登板などを経て現在は二軍再調整中だ。

横浜DeNAベイスターズ



 1年目から獅子奮迅の働きだ。東克樹は開幕から先発ローテ入りを果たすと、150キロを超える力強い真っすぐと、スライダー、チェンジアップのコンビネーションでここまで7勝4敗。防御率は2.75でリーグ3位につけている。決して大崩れしない修正能力の高さも光る。8月3日の広島戦(横浜)では序盤に先制点を許す苦しい展開も、何とか粘って5回2/3を2失点にまとめるなど成長の跡をのぞかせた。このままいけば2ケタ勝利も射程圏内、新人王も見えてくる。

阪神タイガース



 ドラフト2位の先発左腕・高橋遥人に一軍初勝利は先を越されたが、評価は高い。6月21日のオリックス戦(甲子園)で先発すると6回を5安打1失点で勝敗はつかなかったが、次戦の先発を見据えられるだけの内容を示した。だが、降雨などによりスライド登板が重なり、二軍での調整を強いられている。その二軍ではすでに5勝をマーク。金本知憲監督も、8月以降の先発ローテ入りを視野に入れていることを語っており、終盤戦でブレークの可能性も秘めている。

中日ドラゴンズ



 開幕から順調に、そして期待どおりに階段を駆け上がり、チームにとって欠くことのできない存在となっている。鈴木博志は、開幕カードの広島戦(4月1日、マツダ広島)でデビューして以来、フル回転でブルペン陣を支えている。勝ちパターンのセットアップマンとして7、8回を任されることが多く、一時は交流戦で調子を落としたこともあった。それでも7月以降、絶不調の田島慎二に代わってクロザーに抜擢されると、持ち味の剛速球で相手をねじ伏せセーブを積み上げている。

写真=BBM
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