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パ・リーグ6球団“ドラフト1位”の現在地は?

 

即戦力か、育成か。さまざまな期待を込められてプロの世界に足を踏み入れたドラフト1位。今季、入団した“金の卵”たちの現在地は果たして? ここではパ・リーグ6球団の2018年ドラフト1位選手の現状を見ていこう。

北海道日本ハムファイターズ



 ようやく光が見えてきた。右ヒジの炎症でノースロー調整が続いていた清宮幸太郎が8月2日、約1カ月ぶりにスローイングを再開。「まだしっくりきていない部分もありますが、痛みはもう大丈夫です」と白い歯を見せた。打撃はすでにフリー打撃を再開しており、鎌ケ谷以外の地方遠征にも同行中。まずは代打かDHでの実戦復帰を目指して二軍で調整をしていく。栗山英樹監督は「次に上げるときは最初(スタメン)から使うよ。ベンチに座っていてはダメな選手」と完全復調に加え、一軍レギュラーとしての力が備わったときの昇格を明言している。シーズン最終盤での逆転Vへのこれ以上ない起爆剤として、いまは静かに牙を研ぐ。

埼玉西武ライオンズ



 首脳陣からの信頼を得つつある。7月20日の楽天戦(メットライフ)でプロ初登板を果たすと、1イニングを無失点。続く2試合目、25日のオリックス戦(同)では4回5失点の十亀剣の後を継ぎ2回1/3を無失点で試合を落ち着けると、チームはサヨナラ勝利をマーク。3試合目の29日のロッテ戦(ZOZOマリン)でも5点リードの4回裏、1点を返され、なお一死満塁のピンチで榎田大樹からスイッチされてマウンドに上がり、このピンチを無失点で切り抜け、プロ初勝利を手にした。シーズン当初、投げ方を見失っていたが、二軍でロークォーターからサイドスロー近くまで腕を下げ、制球力が安定。今後も大きな戦力となる。

福岡ソフトバンクホークス



 話題にのぼる他球団のドライチたちとは対照的に、静かに、ゆっくりとではあるがしっかりと、プロの世界で通用するための基礎固めに努めているのが吉住晴斗だ。新人合同自主トレでは身体能力の高さと千賀滉大をほうふつとさせる落差の大きいフォークで首脳陣をビックリさせたが、キャンプ中にフォームのバランスを崩した。体作りとフォームの修正を優先し、現在は三軍で実戦経験を重ねている。「自分はまだプロのレベルではないなと感じています」と冷静に自己分析。課題のコントロールを磨いて、まずは今季中の二軍デビューをつかみたいところだ。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・安田尚憲


 打率は2割6分前後、期待される本塁打は6。この成績をどう見るか。ファーム戦では与えられる出場機会の中でしっかりと結果を残している安田尚憲。スイングは日に日に本来の“大きさ”を取り戻し、高卒ルーキーとしては及第点と言える。しかし、すでに一軍デビューを飾って本塁打を放っている日本ハム・清宮幸太郎、同じイースタンで特大のインパクトを与えているヤクルト村上宗隆という同じ高卒ドラ1に見劣りしているのは事実。未来のカモメの四番はここからどう成長曲線を上昇させていくことができるか。

オリックス・バファローズ


オリックス・田嶋大樹


 故障離脱がチームに影響を与えていることが、ドラフト1位左腕の貢献度を物語る。開幕2戦目のソフトバク戦でプロ初先発初勝利を手にし、6月17日に6勝目を挙げるも、左ヒジに張りを覚えて同27日に登録抹消。最速152キロの直球で空振りやフライアウトを奪うなど、新人らしからぬ投球で先発ローテを守ってきた左腕が戦線離脱すると、先発ローテの再編を余儀なくされたチームは大型連敗を喫するなど、苦戦を強いられている。二軍での実戦登板はいまだなしと、復帰時期は不透明。借金がふくらむ一方のチームは、先発左腕の早期復帰を待ち望む。

東北楽天ゴールデンイーグルス


楽天・近藤弘樹


 交流戦で2度、先発のチャンスを与えられながら、0勝2敗、防御率5.59と結果を残すことはできなかった近藤弘樹。それでもファームで実戦登板を重ね、7月31日に再昇格となった。平石洋介監督代行は「ロング(リリーフ)で待機してもらう」とその役割を明言。本人も「今回こそはチームの力になれるよう頑張る」と意気込んでいる。後半戦に入り好調を維持している楽天だが、先発の美馬学が抹消されるなど苦しい事情は変わらない。ドラフト1位右腕がブルペンからチームを支える。

写真=BBM
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