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都道府県別ドリームチーム

【宮城県】ベイとツバメが存在感を放つイヌワシの城下町/都道府県別ドリームチーム

 

いよいよ第100回の大きな節目を迎える夏の甲子園。その歴史にこそ届かないが、80年を超えるプロ野球を彩ってきた選手たちによる出身地別のドリームチームを編成してみた。優勝旗が翻るのは、どの都道府県か……?

東北きっての強力バッテリー



 県庁所在地の仙台市は伊達政宗の城下町として栄えた杜の都。古くから東北地方の中心都市として機能してきた。一時期はロッテが準本拠地としていたこともあったが、2005年からは新球団の楽天が本拠地に。

 三陸海岸が屈指の漁場であることから、かつては大洋漁業を親会社に持つ大洋(現在のDeNA)のファンも多く、宮城県出身のプロ野球選手もDeNAと縁が深い選手が優勢。ロッテで活躍した選手もいるが、それ以上に国鉄からヤクルトにかけて長く活躍した選手も目立つ。ただ、近年は他のチームで活躍した名選手が地元の楽天で現役を引退する流れもあり、今後は勢力図も変わりそうだ。

【宮城ドリームチーム】
一(遊)小坂誠(ロッテほか)

二(右)橋本到巨人)★

三(中)中根仁(横浜ほか)

四(二)佐藤孝夫(国鉄)

五(捕)八重樫幸雄(ヤクルト)

六(左)伊藤勲(大洋ほか)

七(一)安部理西武ほか)

八(三)平沢大河(ロッテ)★

九(投)岸孝之(楽天)★
(★は現役)

 エースには先発ということと、地元の楽天からという意味で岸孝之を据えたが、圧倒的な存在感を放つ投手が“大魔神”佐々木主浩(横浜)。メジャーでも“DAIMAJIN”と呼ばれたクローザーだ。

 同じくメジャーでも活躍したセットアッパーが、佐々木の東北高、東北福祉大の後輩でもある斎藤隆(横浜ほか)。先発の柱としてクローザーの佐々木と98年に横浜の日本一に貢献した右腕で、メジャーを経て楽天で引退した。もちろん、その楽天で現役を続ける岸も西武時代の2008年にMVPとなった好投手。絶対に負けられない試合には岸から斎藤、佐々木の必勝リレーで臨みたい。

 現役には若手時代は速球派で鳴らした由規(ヤクルト)もいて、長期戦には岸と斎藤、そして由規の先発三本柱でもいいが、長く故障に苦しんだ由規を実績で上回るのが金村曉(暁など。日本ハムほか)だ。

 一方、東北高で“三若生”と呼ばれたのが若生智男(大毎ほか)、若生照元(大洋)、若生忠男(忠泰。西鉄ほか)。若生智と若生忠は2ケタ勝利4度ずつで、“ロカビリー投法”の若生忠はノーヒットノーランも達成している。若生照のチームメートで、60年に史上最年少の完全試合を達成したのが島田源太郎(大洋)だ。

 バッテリーを組む司令塔も“三本柱”が形成できる。長く大洋で正捕手を務めた伊藤勲に、控えが多かったが24年にわたる長い活躍でヤクルトを支えた八重樫幸雄。そのヤクルトの前身であるサンケイでプロ入りして大洋で引退したのが加藤俊夫(日本ハムほか)で、77年にベストナインとゴールデン・グラブをダブル受賞した強肩強打の捕手だ。

 打線の層が薄く、いずれも控えに回すのが惜しい存在。ここでは外野の経験もある伊藤が左翼へ。司令塔には八重樫を据えた。

勝ちゲームを締めくくる“大魔神”


横浜・佐々木主浩


 外野の要は四番打者の“小さなホームラン王”佐藤孝夫も適任だが、若手時代に守った二塁へ回り、その前を打つ三番打者として中堅には強肩堅守と強打で近鉄と横浜で優勝に貢献した中根仁が入る。

 右翼は現役の橋本到で、つなぎの二番。不動のリードオフマンで遊撃手が小坂誠だ。本職は遊撃手で、18年は三塁も多い平沢大河が小坂との新旧ロッテの三遊間を形成。一塁は西武黄金時代を支えた安部理だ。八重樫と伊藤の捕手2人は佐藤に続くクリーンアップを担い、安部と平沢が下位に並んで打線を支える。

 突出した長所はないが、打線は長打力と機動力を兼ね備え、右腕ばかりだが、投手陣も充実。9回に“大魔神”佐々木が登場するためにも、8回までに1点でもリードを奪っておきたい。

写真=BBM
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