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2018甲子園

浦和学院に感じた“怖さ”を糧にふたたび甲子園へ 二松学舎大付・山田将義

 

負ければ『最後』という緊張感


二松学舎大付の1年生捕手・山田は、浦和学院が企てたバントを自らで捕球し、二塁へ素早く送球してアウトにした。試合の流れを変えられるのが、一流プレーヤーの証である


2018年8月16日
第100回=3回戦
浦和学院(南埼玉)6−0二松学舎大付(東東京)

 1年生捕手の夏が終わった。二松学舎大付・山田将義は浦和学院との3回戦で敗退(0対6)し、人目をはばからず涙を見せた。

 U-12、U-15と2つの世代で「日の丸」を背負った逸材である。昨夏の準優勝・広陵との2回戦は一度もリードを許すことなく、自チームのペースで試合を支配すことができたが、浦和学院の重圧は別格だったという。

「相手のペースに引き込まれると、なかなか流れを取り戻すことができず、9回まで淡々と試合が進んでしまった……」

 3回裏に象徴的なシーンが訪れる。先頭打者に安打を許すも、次打者のバントを自ら捕球し、素早く二塁送球してアウト。二塁進塁を許さず、強肩で流れを引き寄せたように見えたが、相手はすぐに気持ちを切り替えてきた。次打者に左中間を破られ(三塁打)、先制点を許す。さらにタイムリーが続いてこの回、2失点と主導権を握られてしまった。

 中盤は雨脚が強くなり、さらに投手をリードするのが難しくなった。そんなスキを試合巧者・浦和学院は、絶対に逃さない強さがある。

「甘い球は、一球で仕留めてくる。すごく、怖かった……。負ければ『最後』という緊張感もあって、自分たちの野球ができなかった。これまでなかったことです」

 2試合で得た収穫を問われると「自信というのはあまりない。反省のほうが多い」と語った。「打撃のほうでも相手投手(渡邉勇太朗)のスピードが速く、大舞台でバットが振れなかった(3打数無安打)。9イニングを通じて対応できなかった。上級生に迷惑を掛けて申し訳ない」と背番号12は肩を落とした。

 しかし、落胆ばかりしていられない。すぐに新チームがスタートする。山田は甲子園の土を、持ち帰らなかった。

「1年生なので……。(可能性のある3年夏まで)あと4回、すべて出るつもりです。今回、甲子園で得た経験を全員で共有して、二度とこういった失敗を繰り返さないように、日本一を目指していきたい」

 甲子園の“怖さ”を、1年夏に感じることができるのはほんの一握り。二松学舎大付は今回、2年連続3回目の出場だった。ある同校関係者は「3年続けて、本物です」と語っていた。今回は、3年生が連れてきてくれた甲子園。山田の真価が問われるにはこれからだ。

文=岡本朋祐 写真=石井愛子

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