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パ・リーグ6球団“ドラフト2位”の現在地は?

 

ドライチの影に隠れがちだが、チームの高い評価と期待に変わりはない。即戦力として、未来の担い手として、どうプロの歩みを進めているのか。パ・リーグ6球団の2018年ドラフト2位選手の現状を見ていこう。

埼玉西武ライオンズ



 昨夏、埼玉県勢としては初めて夏の甲子園を制した花咲徳栄高のメンバーだった西川愛也。当時から非凡なバッティングセンスは高い評価を受けていたが、プロでもそれを発揮した。バットの芯に確実に当てるミート力を駆使して、二軍戦では15試合に出場したところで打率は.409。徐々に数字は落ちて行き、現在は2割台中盤だが、その可能性は無限大だ。以前、「プロで成功するために必要なことは?」と尋ねた際、「まず焦らずに、ほかと比べないこと。自分は自分なので」と答えてくれた。高校時代からのケガの影響でまだ試合では守備に就いていないが、一歩ずつ未来へ進む。

北海道日本ハムファイターズ



 7人のルーキーの中で最も一軍で結果を出している。社会人のNTT東日本から即戦力右腕として開幕一軍切符をゲット。持ち前のマウンド度胸で貴重な中継ぎとして26試合に登板(8月26日現在)。初ホールド、初セーブ、初勝利をすでに達成してチーム躍進の原動力となった。現在は疲れが見え始めて二軍で再調整となっているが、シーズン終盤にこの男が必要な場面は必ずまた来る。「毎日が勝負」と語る根っからのファイターが逆転Vを狙うチームに勢いをもたらす。

福岡ソフトバンクホークス



 球界でも珍しいアンダースロー右腕は虎視眈々と再昇格を狙っている。目標としていた「開幕一軍」は叶わなかったが、4月に入りチャンスがめぐってきた。22日の日本ハム戦(札幌ドーム)で一軍初登板初先発。4回3失点で負け投手にはなったが、代名詞である地面スレスレから浮かび上がってくるボールは独特の軌道を描き、インパクトを残した。あとは“いかにテンポをズラして打者に的を絞らせないか”だ。二軍では24試合に登板し、4勝0敗2セーブ、防御率0.96と安定感抜群。先発もリリーフもこなせる器用さは一軍でも重宝されるに違いない。

千葉ロッテマリーンズ



 ドラフト時に井口資仁監督が「絶対に取りたい選手だった」と口にした期待に、しっかりと応えている。平沢大河三木亮らとの遊撃争いでも「誰が見ても抜けている」と指揮官に言わしめて開幕スタメンの座を勝ち取ると、その後もがっちりとポジションを守り続けている。堅守強肩の守備は定評があり、苦しむ時期があった打撃面でも徐々に粘り強さを手にしつつある。負担の大きい遊撃での全試合出場が評価されれば、目標とする新人王も視野に入ってくるだろう。

オリックス・バファローズ


オリックス・K-鈴木


 開幕ローテ入りも期待されていたが、キャンプ、オープン戦と制球が定まらず二軍スタートに。5月19日の西武戦(ほっと神戸)で中継ぎとしてプロ初登板を果たしたが、やはり制球を乱して1回を投げて2四死球で登録抹消。7月21日に再昇格し、2度の救援登板も、いずれも四死球を与え、8月21日の楽天戦(楽天生命パーク)でのプロ初先発では4イニングを投げて4失点。2本塁打を含む7安打を浴び、2四球とホロ苦デビューとなった。一軍定着へ。克服すべき課題は明確だ。

東北楽天ゴールデンイーグルス


楽天・岩見雅紀


 慶大時代に高橋由伸(慶大、のち巨人)の23本、田淵幸一(法大、のち阪神ほか)22本塁打に次ぐ、歴代3位の21本塁打を放った右の大砲だ。しかし、2月の春季キャンプでは体調不良により出遅れてしまう。5月、6月に2度、一軍に昇格したものの、14打席ノーヒットと一軍の壁にぶち当たった。それでもイースタン・リーグでは8月25日現在、リーグ5位タイの11本塁打と、大器の片りんは見せている。小さくまとまることなく、持ち味を生かしてスケールの大きな選手を目指したいところだ。

写真=BBM
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