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パ・リーグ6球団“開幕投手”の現在地は?

 

先発ローテーションの軸として、チームのエースとして開幕投手に指名された男たち。期待に応えて先発ローテをけん引しているのか、はたまた期待を裏切る形になってしまっているのか。パ・リーグ6球団の2018年開幕投手の現状を見ていこう。

埼玉西武ライオンズ



 自らの連敗を2で止めた。8月31日のオリックス戦(京セラドーム)、先発した菊池雄星。2回裏二死一塁の場面で左ワキ腹付近がつり、ベンチ裏で水分と塩分を補給するアクシデントもあったが、続投。5回表に女房役・炭谷銀仁朗の適時打で1点を先制し、「この1点を守り抜く」と気持ちを入れ直し、直後の5回裏一死一、三塁では大城滉二を空振り三振、ロメロは右飛に打ち取りガッツポーズ。結局、7回無失点で球団の左腕では工藤公康以来24年ぶりの3年連続2ケタ勝利に到達した。今季は5月に左肩の機能低下で二軍調整、2段モーションから1段へフォーム変更、さらに来季からのメジャー挑戦がささやかれているが、いまは優勝へ目の前の試合に集中するだけ。「最近、自分自身は勝ててなかったので、9月、10月はチームに貢献できるように頑張る」と力を込める。

福岡ソフトバンクホークス



 大逆転Vへ、イケイケムードのチームにおいて先発投手陣をけん引するのが千賀滉大だ。開幕投手を任された今季、「1年間先発ローテーションを守り抜くこと」は果たすべき最低限の役割だった。しかし、開幕直後から故障などで離脱を繰り返した。4度目の離脱からオールスター明けに復帰すると、そこからはこれまで以上の気迫みなぎる投球を披露。工藤公康監督も「やってもらわないといけない選手」と発破をかけた。8月は自身初となる完封(7日のオリックス戦、京セラドーム)を含む4戦4勝。3年連続の2ケタ勝利も達成した。少し遠回りはしたが、いまや確実にチームを支える「柱」となっている。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 昨季15勝を挙げた犬鷲のエースが苦しんでいる。ここまで21試合に登板して6勝10敗、防御率4.05。開幕戦では7回1失点の好投も、自身には勝ち星はつかず(チームは延長戦の末に勝利)。ここから微妙に歯車が狂い出したか、5月末から5連敗を喫し、6月は白星なし。8月28日の西武戦(前橋)では6回6失点でKOされ、防御率は4点台に悪化した。ルーキーイヤーから5年連続2ケタ勝利も黄信号。最下位に低迷するチームと同様に苦境に立たされている。

オリックス・バファローズ


オリックス・西勇輝


 自身開幕3連敗となった今季。援護に恵まれない試合もあったが、ここまで11敗と負け越し。それでもクオリティー・スタートは13度を記録するなどゲームメーク能力は健在で、今季21度目の登板となった9月2日の西武戦(京セラドーム)で、6回1/3を投げて8勝目をマーク。逆転でのCS進出へ。金子千尋アルバースと先発投手が離脱中とあって、背番号21の登板試合は負けられない。今季のチーム残り試合数は23。4年ぶりのAクラス入りへ、右腕の2年ぶりとなる2ケタ勝利、そして敗戦数11を上回って貯金を作ることは絶対条件だ。

千葉ロッテマリーンズ



 井口資仁監督のもと新体制となっても信頼は変わらず、4年連続開幕投手の大役を任された。しかし、エースの輝きを放つには至っていない。イニングを重ねて試合を作り、先発の役割は果たすものの、勝負どころで崩れてチームに勝利を運べない試合が続いた。8月9日には登録を抹消され、リフレッシュを兼ねて二軍再調整に。するとイースタンでは同19日のヤクルト戦(ロッテ浦和)で8回を5安打1失点にまとめると、同28日の西武戦(ロッテ浦和)でも4安打、117球の完封勝利。完全復調をアピールして一軍復帰へゴーサインが出た。終盤戦に向け、頼もしいエースが帰ってくる。

北海道日本ハムファイターズ



 新助っ人にようやく笑みがこぼれた。8月28日のオリックス戦(宮崎)で勝利投手になったのはブライアン・ロドリゲス。4月30日のロッテ戦以来、約4カ月ぶりのマウンドはまさに背水の陣だった。来日1年目の今シーズンは開幕投手に抜擢されるも3回途中8失点でKO……。要所での制球力、セットポジション、さらには日本の細かい野球への適応に苦しんだ。それでも日本での成功を夢見て、ドミニカンは気持ちを切らすことなく、ファームで懸命に課題の克服に取り組み、28日の試合では5回を無失点に封じる快投を見せた。「ずっとこの舞台を目指していた。これからもっと勝ちたい」。日本ハム逆転Vの起爆剤となるか。

写真=BBM
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