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北の鉄腕・宮西尚生にスポットライトが当たる日

 

リリーバーひと筋11年、今シーズンも抜群の存在感を発揮する宮西


 日本ハムが誇る鉄腕に、また新たな勲章が加わった。

 9月14日のオリックス戦(札幌ドーム)で8回からマウンドに上がったのは宮西尚生。これが今シーズン50試合目の登板となり、プロ1年目から「11年連続の50試合以上登板」を達成した。

 プロ11年間で先発登板は一度もなし。すべて中継ぎだけで生き抜いてきた。昨年のオフにはFA権を行使せずに「この左腕をファイターズに捧げたい」と残留を決め、新たな決意で挑んだ2018年シーズン。ブルペンを含めてチームの投手陣は後半戦に入って疲れが見え始めているが、宮西は淡々と結果を残し続けている。

 かつて吉井理人投手コーチがこんなことを語っていたことがある。「ミヤが落ち込んでいる姿を見たことがない。本当に心臓に毛が生えているんでしょう(笑)。マウンドでも自分の世界を持っていますし、勝負どころではフルカウントで意図的に平気でボール球を投げたりもできる。勝負勘はすごいものがある」。リリーバーとして11年間常に第一線で活躍してきた男の矜持、すごさが吉井コーチの言葉の中に詰まっている気がした。

 17日のオリックス戦(札幌ドーム)では、2点リードの8回から登板。上位打線を3者凡退に抑えて、巨人山口鉄也の324ホールドポイントに並んだ。20日のソフトバンク戦(札幌ドーム)では失点を許して新記録達成こそならなかったが、指揮官の信頼は微塵も揺るがない。

 口ぐせは「中継ぎはニュースになるのは打たれたときだけ。毎試合目立つことなく終わるのが一番いい。僕にスポットライトはいらない」。11年にわたってチームのために、献身的にマウンドに上がり続けてきた北の鉄腕サウスポー。300ホールドも視界に入ってきているが、前人未到の大記録達成の瞬間ぐらいは、誰よりもこの男にまぶしいスポットライトが当たってほしい。

文=松井進作 写真=BBM
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