週刊ベースボールONLINE

編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

大ブレークにつながったDeNAソトの「対応力」

 

頼りになる打撃で今季、何度もチームの窮地を救ってきた


 とにかく練習熱心。昨秋の入団テストからチャンスをつかんだDeNAネフタリ・ソトは、真摯な姿勢で野球に取り組んできた。開幕戦の前日にふくらはぎを痛め登録を抹消された際には、ファームで黙々と汗を流した。「二軍では若手、ベテランに限らずみんなが一軍を目指して必死にプレーしていた。あの経験は大きかった」と振り返る。

 ケガが完治して5月に一軍に合流すると、そこからの1カ月で打率.354、本塁打4、打点10と結果を残した。初起用された5月6日の巨人戦(横浜)で放ったスコアボード直撃の1号ソロは強烈なインパクトだった。今季は94試合に出場して打率.302、33本塁打、79打点と筒香嘉智宮崎敏郎、ロペスと並びDeNA打線の中軸を担う。来日1年目の活躍を本人は「チャンスをもらっていることをとても感謝している。日本の野球はすごく練習量が多い。それが自分には合っているのかもね」と言う。

 それでも、ふくらはぎ痛からの復帰後はすべてが順調にきたわけではない。交流戦に入ると打撃は下降線。アウトコースの変化球に手こずった。そして6月13日には発熱のため再び二軍に降格となった。ストレートにはめっぽう強い。一方で、緩急をつけられたり、変化球に対してもろさを露呈する場面が目立ち、ファームで一から打撃を見直したのだった。

「シーズン序盤はよかったのが、途中から変化球で多く攻められるようになった。特にアウトコースだ。それにアジャストする努力をした。同時に、右方向への打球が増えていった」

 日本人投手が投げる精密にコントロールされたアウトローのボールへの対応力が、外国人が日本で成功できるか、どうかの分岐点だとよく言われる。ソトはこの課題に対して意識を変え、クリアした。それまで左方向に偏っていた打球は、現在、111安打中/左方向48本、中方向41本、右方向20本(不明2本)と広角にいい当たりが飛んでいる。

 チームは3年連続のCS進出をかけた“勝負の12連戦”へと突入。ソトの目標は日本で初めて経験するプレーオフへの出場だ。「(プレーオフに行く)チャンスはある。1試合1試合、自分の持っている力を出し、全力でプレーしていきたい」。
文=滝川和臣 写真=大賀章好
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング