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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

広島がCSで昨年の二の舞にならないためには

 

失ったアドバンテージ


CSファイナルステージ初戦の先発が予想される大瀬良


 10月9日の試合結果で、セ・リーグのクライマックスシリーズ(以下CS)進出チームが決まった。2位・ヤクルトと3位・巨人がまず神宮球場でのファーストステージで戦い、その勝者を、リーグ優勝チームの広島がマツダ広島で待ち受けることになる。

 昨年、リーグ優勝しながらCSで敗退し、悔しい思いをしている広島としては、昨年のトラウマがあり、かつ、対戦成績でも比較的苦しんでいる(13勝11敗1分け)DeNAは嫌な相手だったので、この結果にはちょっと胸をなでおろしているかもしれない。今季の広島は、対ヤクルトは19勝6敗、対巨人は17勝7敗1分けと、ペナントレースでは圧倒しており、さらにマツダ広島に絞れば対ヤクルトは9勝2敗、対巨人も9勝2敗1分けとあって、少なくとも「嫌な相手だな」というイメージはないはずだ。

 しかしながら、ファーストステージを勝ち上がって勢いのある相手に対し、ペナントレース終了後のブランクを経て受けて立つことになる優勝チームは、1勝のアドバンテージがあって、星勘定としては圧倒的に有利な条件に置かれるとはいえ、やりにくい面もあるというのは事実だろう。

 カープファンにとっては思い出したくもないかもしれないが、昨年のCSファイナルステージを思い出してみよう。第1戦は、ペナントレースの勝ち頭の薮田和樹を立てて3対0と降雨コールド勝ちしたが、第2戦を野村祐輔で落とすと、第3戦を0対1と惜敗、2日間雨で流れた後、第4戦もDeNAの今永昇太の中継ぎ投入もあって3対4の惜敗。薮田が負け投手。第5戦は2度目の先発の野村が打ち込まれてシリーズを失った。

 振り返ってみると、やはり1勝2敗となってアドバンテージ分を失ってしまうと、1位チームには焦りが、勝ち上がってきたチームには勢いが生まれ、シリーズの流れが抗いがたいものになっていったような印象が強い。そう考えると、優勝チームは、とにかく相手に流れを渡さず、先手必勝でもつれさせることなくさっさと終わらせてしまう、ということが肝要になってくるだろう。

 先発投手のローテーションという見方からしても、このことははっきりしていて(雨天順延などを考えない場合)、勝ち上がってきたチームは第3戦から、ファーストステージの第1戦で先発したエースが中5日で「2周目」に入ってくるので、優勝チームは3番手以降の投手で戦うことになる第3戦以降はマッチアップとしてはむしろ不利になる。相手が3、4番手または4、5番手の先発、こちらがエースと準エースの先発と優位な2戦目まででほぼシリーズの流れを決定づけてしまわなければ、ややこしいことになってしまいかねないのだ。特に、今年もし巨人が上がってきた場合などは、菅野智之の登場までに大勢を決めてしまっておきたいところだろう。

先手必勝は鉄則


 今年の広島は、順当に行けば第1戦は大瀬良大地、第2戦はジョンソンの先発が有力。もちろんペナントレースの成績からすれば、大瀬良は対ヤクルト3勝0敗、防御率1.23、対巨人2勝1敗、防御率2.25、ジョンソンは対ヤクルト2勝1敗、防御率3.09、対巨人2勝0敗、防御率3.50と抑えており、勝算は十分に立つ。この2人で連勝、最低でも1勝1敗には持ち込みたい。

 第3戦、第4戦は順当に行けば野村、九里亜蓮の順になるが、相手がヤクルトの場合、野村は対戦防御率8.76、一方、九里は対ヤクルト4勝1敗(防御率3.51)というデータもあるので、「先手必勝」の法則に照らせば、九里が先に投げる可能性があるかもしれない。第5戦以降になると、本来のローテーション投手の岡田明丈は中継ぎ待機となる可能性もあって、中村祐太戸田隆矢高橋樹也らの中から先発を探すことになり、やや実績の少ない投手が出ていくことになるので、やはり広島としては先手必勝は鉄則だろう。

 最後に。敗れた昨年は、CSファイナルステージの第1戦が広島のペナントレース最終戦からなんと17日後だった。今季は、10月7日の最終戦からは10日後。もちろん長いことは長いが、昨年ほどの実戦勘の鈍りは呼ばなくて済みそうだ。今年は散々雨に泣かされたカープだが、この点でだけは、日程が流れたのがプラスに作用するかもしれない。

文=藤本泰祐 写真=BBM

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