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ドラフト会議物語

【ドラフト会議物語41】激しい争奪戦の末、鳥谷が甲子園を選び阪神へ【2003年】

 

今年は10月25日に行われるドラフト会議。毎年、金の卵たちが、どの球団へ進むか大きな注目を集める“一大イベント”で、さまざまなドラマも生まれる。今年で54年目を迎えるドラフト会議の歴史を週刊ベースボールONLINEでは振り返っていく。

9球団が自由枠を使用


阪神入団会見。前列右が鳥谷。中央は早大の大先輩でもある岡田彰布新監督


2003年11月19日
第39回ドラフト会議(新高輪プリンスホテル)

[1巡目選手]
横浜    森大輔 (三菱ふそう川崎)自
      吉川輝昭(日本文理大)自
オリックス 歌藤達夫(ヤマハ)自
広島    白浜裕太(広陵高)
日本ハム  糸井嘉男(近大)自
ヤクルト  川島亮 (八戸大)自
ロッテ   内竜也 (川崎工高)
巨人    内海哲也(東京ガス)自
近鉄    香月良太(東芝)自
中日    中川裕貴(中京高)
西武    山崎敏 (平成国際大)自
阪神    鳥谷敬 (早大)自
      筒井和也(愛知学院大)自
ダイエー  馬原孝浩(九州共立大)自

 新制度導入3年目となったが、これまでで最も多い9球団が自由枠を使った。残る3球団も独自路線で高校生を指名し、3年ぶり史上4度目の抽選なしだった。

 打者の最大の注目は、早大のスラッガー・鳥谷敬。阪神以外にも西武、巨人、ダイエーらが獲得に動いたが、長くプレーするため「土のグラウンド」、つまりは甲子園を選んだ。投手では快速球右腕・馬原孝治がいたが、こちらは早々に地元九州のダイエーを選んでいる(熊本出身)。

 ほか高卒3年目で“社会人三羽烏”と言われた森大輔が横浜、香月良太が近鉄、そして“浪人”だった内海哲也が希望どおり巨人へ進んでいる。自由枠組で“鳥谷級”の活躍をしているのが、日本ハムの超人・糸井嘉男だ。快速球投手として入団も06年野手に転向。オリックス移籍後だが、14年首位打者、16年盗塁王となっている。

 ヤクルトの川島亮は1年目から10勝を挙げて新人王となったが、故障に泣き、短命に終わった。高校生組ではロッテが1巡目で内竜也を獲得。とにかく故障が多い選手だが、いまなお最前線で投げ続けるリリーバーだ。

 2巡目では巨人一本を表明していた左腕・須永英輝(浦和学院高)を日本ハムが強行指名。本来は翌年から北海道に移転することもあり、北海道出身の柴田誠也(尚志学園高)を狙っていたが、1つ前でオリックスに奪われての緊急決断でもあった。ほか2巡目では巨人が西村健太朗(広陵高)、ダイエーが城所龍磨(中京高)を獲得している。

 4巡目以降にも好選手がいる。メジャーにも挑戦した青木宣親がヤクルト4巡目、投手ではロッテ6巡目には成瀬善久(横浜高)がいる。

 ほかの選手も列記しよう。4巡目では、日本ハムがヤクルトでも活躍した中継ぎの押本健彦(日産自動車)、短命ながら06年に5試合連続完投勝利もあった中日の佐藤充(日本生命)、ダイエーがユーティリティー・明石健志(山梨学院大付高)。ほか日本ハム5巡目・稲田直人(JFE西日本)、西武5巡目・岡本篤志(明大)、中日6巡目・堂上剛裕(愛工大名電高)らがいる。

 下位の7巡目にも好選手がおり、中日が楽天移籍後に開花したリリーバー・川岸強(トヨタ自動車)、ダイエーが翌04年、27歳で新人王となった三瀬幸司(NTT西日本中国クラブ)、そして西武が法大卒業後、マイナーでプレーしていた佐藤隆彦(法大出)で、のちのG.G.佐藤となっている。

<次回に続く>

写真=BBM
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