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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

日本シリーズ制覇へカギを握る守備力と投手の交代機

 

1990年、4連勝で巨人を下して日本一に輝いた西武


 衝撃の4連勝――。

 1990年、日本シリーズで巨人と3年ぶりに対戦した森祇晶監督率いる西武は1つも負けずに日本一を勝ち取った。このシリーズ、東京ドームでの初戦(東京ドーム)、1回表二死一、二塁からデストラーデ槙原寛己から右中間席中段へ先制3ランをたたき込んだ。デストラーデの派手なガッツポーズとともにシリーズの流れを決めた一発として、脳裏に焼き付いているファンも多いかもしれないが、その裏、西武の巧みな守備も4連勝へ導いた大きなプレーとしてあった。

 1回裏、西武先発の渡辺久信篠塚和典へストレートの四球。嫌なランナーの出し方だったが、続く川相昌弘に対して2ボール1ストライクからストライクの後、捕手の伊東勤が素早く一塁へけん制し、篠塚を刺して結局ゼロで切り抜けた。

 第2戦(同)でも9回裏、一死一、二塁の場面で西武のリリーフ・鹿取義隆がリードの大きい二走・上田和明をけん制で刺した。投手、捕手、遊撃手による見事な“連係プレー”だった。

 4タテを食らった後、巨人の岡崎郁は「野球観が変わった」と言ったが、それは「この強固なディフェンスを目の当たりにしたから出た言葉ではなかったかと思う」と今夏にインタビューした際、森氏は語っている。

 そのときに森氏は「日本シリーズは一つ手をこまねいていたら、一気に流れを持っていかれてしまうから気をつけなければいけない」とも言っていた。同シリーズの第2戦、先発の工藤公康が乱調気味で4回途中、3失点目を喫したとき、まだ7対3と勝っていたがスパッと潮崎哲也に代えて、それ以上に追加点を与えなかった。

 今年の日本シリーズは広島ソフトバンクのマッチアップとなった。両チームとも強力な打線に目を奪われがちだが、守備力、投手の交代機にも注目していきたい。

文=小林光男 写真=BBM
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