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ドラフト会議物語

【ドラフト会議物語57】最大の目玉は創価大・田中正義【2016年】

 

今年は10月25日に行われるドラフト会議。毎年、金の卵たちが、どの球団へ進むか大きな注目を集める“一大イベント”で、さまざまなドラマも生まれる。今年で54年目を迎えるドラフト会議の歴史を週刊ベースボールONLINEでは振り返っていく。

剛球右腕に5球団が競合


即戦力と期待された創価大・田中



2016年10月20日
第52回ドラフト会議
(グランドプリンスホテル新高輪)

[1位選手]
オリックス  山岡泰輔 (東京ガス)  
中日     柳裕也  (明大)
楽天     藤平尚真 (横浜高)
ヤクルト   寺島成輝 (履正社高)
西武     今井達也 (作新学院高)
阪神     大山悠輔 (白鴎大)  
ロッテ    佐々木千隼(桜美林大)
DeNA     濱口遥大  (神奈川大)
ソフトバンク 田中正義 (創価大)
巨人     吉川尚輝 (中京学院大)
日本ハム   堀瑞輝  (広島新庄高)
広島     加藤拓也 (慶大)

 最大の目玉は、一時は全球団が1位で競合かと言われた創価大の田中正義だ。最速156キロを誇る右腕ながら、この年の春に発症した右肩炎症の影響でやや評価を下げた。それでもロッテ、ソフトバンク、巨人、日本ハム、広島の5球団が競合し、ソフトバンクへ。「行きたい球団の1つでもあったのでうれしいです」と笑顔を見せた。

 この田中、さらには桜美林の佐々木千隼とともに注目された大学生右腕の明大・柳裕也は、中日、DeNAで競合し、中日へ。明大の投手兼主将での中日入りは、ともにプロでもエースに成長した星野仙一川上憲伸と同じ。中日は2位に昨年の新人王・京田陽太(日大)、4位に今季6勝を挙げた左腕・笠原祥太郎(新潟医療福祉大)、5位には藤嶋健人(東邦高)もいる。

 オリックス1位の山岡泰輔は、172センチと小柄ながら、高校時代にダルビッシュ有(現ドジャース)がツイッターで話題にしたスライダーを武器に社会人No.1と呼ばれた右腕。期待どおり1年目から先発に定着し、8勝11敗をマークした。オリックスは2位でも中継ぎでフル回転した黒木優太(立正大)、8位には今季47試合に投げた澤田圭佑(立大)もいる。

 楽天が一本釣りをしたのが横浜高のエース・藤平尚真。3位には今季18本塁打を放って開花した新人王候補・田中和基も。ほか中継ぎで存在感を示した4位・菅原秀(大体大)、5位・森原康平(新日鉄住金広畑)、9位・高梨雄平(JX-ENEOS)の名前もある。

 ヤクルトは山田哲人の後輩となる履正社の左腕・寺島成輝が1位。2位は星知弥(明大)だ。

史上初の外れ1位で5球団競合


 甲子園優勝投手の今井達也を1位指名した西武は3位の源田壮亮(トヨタ自動車)が大化けした。開幕戦からスタメン遊撃手として起用され、課題と言われた打撃では新人史上4位の155安打、盗塁も37をマーク。今季も遊撃手として全試合フルイニング出場を果たして10年ぶりのリーグ優勝に貢献した。ほか5位の平井克典(Honda鈴鹿)が中継ぎとしていい仕事をしている。

 阪神は日米大学野球で四番も務めた大山悠輔が1位。今季は11本塁打を放った。2位の小野泰己(富士大)は今季7勝、3位の才木浩人(須磨翔風高)は今季6勝をマーク。5位の糸原健斗(JX-ENEOS)は主に二塁手として今季、全試合出場を果たした。

 史上初、外れ1位で5球団が競合したのが、右腕・佐々木千隼だ。ただ、1年目は4勝、2年目の今季は右ヒジ手術もあり一軍登板はなしに終わっている。2位の酒居知史(大阪ガス)は今季2勝、5位の有吉優樹(九州三菱自動車)は今季6勝を挙げた。

地元・神奈川のDeNAからの指名にうれし涙を流した神奈川大・濱口


 柳、佐々木を外しての1位だったDeNAの左腕・濱口遥大だが1年目は10勝と大ブレーク。しかし、2年目の今季は4勝と白星は伸びなかった。

 田中、佐々木を外したのは3球団。まず、巨人は1位で内野手・吉川尚輝を獲得。2位は畠世周(近大)だ。続いて1位で日本ハムは堀瑞輝、広島は加藤拓也を獲得。広島の5位には高卒2年目今季、53試合に登板して3連覇に貢献したアドゥワ誠(松山聖陵高)がいる。

<次回に続く>

写真=BBM
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