チームに欠かせない外国人選手。その働きぶりがチーム成績に直結する。今季、セ・リーグ各球団の外国人選手はどのような活躍を見せ、そして来季の契約状況は? 球団別に見ていこう。 広島東洋カープ
今季は投手、野手とも状況が動いた。投手陣では、安定した立場にいたのはジョンソンのみ。練習生から3月に育成契約、5月に支配下登録となったフランスアが、後半はセットアッパーで地位を確立した。逆に
ジャクソンは不調や故障でファーム落ちもあり、ポストシーズンではシーズン途中に補強されたヘルウェグのほうが重用された。野手は、序盤は
エルドレッドだったが、やがて
バティスタが一番手に。ポストシーズンではファーム4冠王の
メヒアが優先起用された。シーズン終了後、育成のタバーレスは契約解除に。エルドレッド、ジャクソン、ヘルウェグ、登板1試合に終わったカンポスの4選手は来季の契約が微妙な状況だ。
読売ジャイアンツ
CSファイナルステージ敗退翌日に、涙の帰国となったC.
マギーは退団が濃厚で、巨人含めた国内球団のオファー次第では引退の可能性も。シーズン途中に右ヒジ手術のために帰国したA.
カミネロとの再契約は極めて可能性は低いが、同じくシーズン途中離脱の
マシソンや、期待外れに終わったA.
ゲレーロは複数年契約で残留が既定路線。一方、育成から支配下昇格で5勝を挙げたC.C.メルセデス、3勝のT.
ヤングマンには残留要請する方針で、来季は開幕から先発ローテーション入りが期待される。
阪神タイガース
韓国リーグ2年連続で3割30本塁打100打点を記録し、推定年俸3億5000万円という破格の条件で契約したロサリオ。新助っ人が四番打者として猛虎打線をけん引してくれるはずだった。だが、開幕すると外国人特有の外角への変化球に手を出すクセを他球団に見抜かれ凡打の山。大砲が8本塁打だと勝負にならない。8月26日の試合を最後に一軍に上がることなく自由契約となった。途中入団のナバーロも巧打者であったが、本塁打が出ないこともあり、思うような活躍はできなかった。昨年の最優秀中継ぎの
マテオはケガもあり、こちらも退団。また新外国人だったモレノも8試合に登板したのみで終わった。
中日ドラゴンズ
シーズン序盤に血行障害で帰国したジー以外の5人の外国人とは、来季も契約する見込みだ。10月初旬に西山和夫球団代表が明かしている。首位打者を獲得したビシエド、
アルモンテは主軸を担った。勝ち頭の
ガルシアはもちろん、終盤戦には左キラーとしてフル回転した
ロドリゲスの両左腕は貴重な戦力だ。モヤはフェ
ニックス・リーグ参加を自ら志願するなど、来季もやる気十分。今季の活躍ぶりからは、誰一人も流出させられないだけに、今後の情報にも注意が必要だ。
東京ヤクルトスワローズ
来日8年目となったバレンティンが、目を見張るほどの活躍を見せた。一時は本塁打王争いのトップに立つ勢いで、好調打線の中にあってリーグでダントツの131打点をマークし、このタイトルを初めて手にしている。外国人野手がこの大砲1人というのは、信頼の表れにほかならない。投手陣では来日2年目のブキャナンが開幕投手を務め、初めて2ケタ勝利に到達した。
カラシティー、ハフは先発、中継ぎと役割を変えながらもほぼ一軍で投げ続けた。他球団と比べても、助っ人に関しては成功の部類に入りそうだ。
横浜DeNAベイスターズ
言葉は悪いが、それほど期待されていなかった助っ人が結果を残した。内野のバックアップとして入団したソトは、高い適応力を見せて来日1年目で本塁打王のタイトルを奪った。先発、リリーフと場面問わずに投げられることが長所のバリオスは、先発がそろわなかった序盤戦に、先発ローテの軸となった。この「うれしい誤算」により、首脳陣は4つの外国人枠をいかに使うか、に頭を悩ませた。
パットンと並び、ブルペンを支えたエスコバーを二軍に落とさなければならなかったのも、先発
ウィーランドを一軍に合流させるためだった。昨年2ケタ勝利のウィーランドは今季4 勝に終わり、期待を裏切った。現時点で23本塁打を放ったロペスと、ソトは契約を更新。バリオスも残留方向。それ以外の選手は退団が濃厚だ。
写真=BBM