11月1日から12日間、京セラドームで行われる第44回社会人野球日本選手権。決勝まで31試合、社会人の単独チーム日本一、2018年の年間王座決定戦が繰り広げられます。週刊ベースボールONLINEでは、社会人野球日本選手権にまつわるさまざまな情報や知られざる秘話を『JABA公式サポーター』が日替わりで発信していきます。本日は成田沙耶加さんです。

3人がキャプテン1年目

　チームで戦う野球というスポーツに必要不可欠なキャプテンの存在。それはもちろん社会人野球でも同じです。

　では、キャプテンたちはそれぞれどんな思いで大役を務めているのでしょうか？　お話をうかがってきました。

　ベスト4に入ったチームの中で東芝、JFE西日本、新日鐵住金鹿島の3チームがいずれも就任1年目と今年はフレッシュなキャプテンが多かったことも印象的でした。

　まず、東芝の松本幸一郎キャプテン。松本キャプテンは今年の都市対抗で敗退してからオープン戦でも勝てず、厳しい日が続いたと言います。しかし、松本キャプテンはその勝てなかった期間を決してマイナスにはとらえなかったそうです。

「1年やっていればそういう時期もある。一人ひとり、いい選手ばかりなので力を発揮できたら必ず勝てると思っていたので、そのために全員で細かいところまで見直しました」と話していました。

　そして、話し合う際は常にキャプテンとして中心に立つことを心がけてきたそうです。日本選手権で優勝して初めてその結果が出たと言えると話していましたが、それでもチームは確実にいい方向に進んでいると感じているそうです。


　JFE西日本の橋本拓也キャプテンは「1年目でしたが大変とは思いませんでした。周りの選手がサポートしてくれたのでやりやすかった」と話していました。

　ただ、キャプテンとして一番難しかったのはチームのモチベーションをどう試合に持っていくかということだったそうです。

　そして、橋本キャプテンはのびのびと選手たちにプレーをさせるために、大切な試合の前には「今までやってきたことに自信を持って試合に臨もう。自分たちがやってきたことを信じ、披露しにいこう！」と常に声をかけてきたそうです。

　そうすることで、チームの良さである元気や積極性が継続されるようになったと言います。


　新日鐵住金鹿島の藤本雄也キャプテンはなんと昨年、期間限定で1カ月キャプテンを務めており、今季から正式にキャプテンになったそうです。

　チーム状況が良くない時期が続き、キャプテンを代えようかという話が上がった際、“もしかしたら自分かも”と思ったそうですが、実際に声がかかると大変驚いたんだとか。

「いいことも悪いことも経験した1年でした。でも、“ダブルドーム”を経験させてくれたチームのみんなにとても感謝しています」とキャプテン就任1年目を振り返るとともに、「ウチのチームの良さはみんながチームのためにプレーしているところ。自分もキャプテンとして、これからもチームを引っ張っていきたい」と話していました。


　そして、ベスト4のチームで唯一、就任3年目となる三菱重工名古屋の安田亮太選手はもともとキャプテンをやりたかったと言います。

　今までキャプテン経験がなかったにもかかわらず、なぜやりたいと思ったのかうかがうと、安田選手にはキャプテンになってどうしても仲間たちに伝えたいことがあったそう。

「自分が若かったとき、自分のためのプレーに走り、結果も出ず試合にも出られない日が続きました。でも、そんな自分を打ち破ってチームのために戦い始めたら、おのずと結果がついてきました。そのときチームのことを考えて初めて選手としての価値が上がるんだということが分かったんです」

“背中で伝えるタイプではなく、口で伝えるタイプ”

　自分のことをそのように話す安田選手は、これからも「チームのために」という言葉をキャプテンとして若手たちにも伝えていくそうです。

　どのキャプテンも、それぞれの違った魅力であふれています。ぜひ、キャプテンの奮闘やチームに与える影響にも注目してみてください！

公式サポーター日本野球連盟YouTubeチャンネル
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PROFILE

なりた・さやか●1990年7月30日生まれ。山梨県出身。ニックネームは「さやくま」。野球観戦歴は家族の影響で幼少時から。趣味は料理とスポーツ観戦、特技は健康食作り。

とよしま・わかな●1986年12月14日生まれ。愛知県出身。ニックネームは「豊ちゃん」。野球観戦歴は小学生のころから。趣味はラーメン屋巡り、特技は猫の爪切り。

たなか・ゆみ●1992年5月21日生まれ。神奈川県出身。ニックネームは「ゆーみん」。野球観戦歴は高校1年生のころから。趣味は動物とたわむれる、特技は脚が柔らかいこと。