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ベースボールゼミナール

1日、何本くらいバットを振れば、プロ野球選手になれる?/元ソフトバンク・柴原洋に聞く

 

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は打撃編。回答者は現役時代に巧打の選手として活躍した、元ソフトバンク柴原洋氏だ。

Q.小学4年生で野球を始めました。将来、プロ野球選手になるのが目標です。プロ野球の選手は1日、どれくらいの数の素振りをしていますか。1日、何本くらいバットを振れば、プロ野球選手になれるでしょうか。(神奈川県・10歳)



A.小学生年代なら10本でも毎日継続することが大事


元ソフトバンク・柴原洋氏


 これは野球を始めたばかりの少年たちが、必ず1度は考えたことがある悩みではないでしょうか。

 まず、プロ野球選手の素振りについてですが、これは「納得するまで」が答えです。私は現役時代、数を決めたこともないですし、時間で区切ったこともありません。それはプロにとっては野球が仕事だからで、結果を残すために必要にかられてする練習(やらされる練習ではありません)だからです。

 何のために素振りをするのか、ココが重要でしょう。例えば、試合があり、ミスショットなどが多かった場合、ナイター後、すぐに室内練習場やスイングルームに移動し、どこが悪かったのか、頭の中でそのシーンをイメージしながらスイングすることが多いです。場合によってはビデオで確認し、イメージを深めることも行います。また、翌日の対戦相手のイメージを持ってスイングすることもありますし、実際にボールを打つこともあります。試合中に得たスイングのイメージを固めるために素振りをすることもありますね。

 苦手なコースを克服するために繰り返しそのコースを振り続けることもあります。その場合、納得がいかなければ延々と振り続けますから、気付いたら1時間経っていたなんてこともざら。逆に、「これだ」と納得いくスイングが(続けて)できるようならば、数えるほどで終了することもありますね(これはそれまでの蓄積があるからですが)。

 ただ、質問の方はまだ10歳ですから、一番大切なのは毎日継続してスイングを続けることです。私は小学生のころ、毎日100スイングを日課として繰り返してきました。だからと言って、質問の方にも100本というのではありません。1日だけ100本を振っても、次第におっくうになり、やめてしまっては意味がありませんから、20本でも30本でもいいので、まずは毎日スイングすることを習慣づけることでしょう。三日坊主になるくらいなら、10本だっていい。それを1年続ければ3650本ですからね。

 継続は力なり。毎日振っていて、10本では物足らなくなったら振れる分だけ増やしてやればいいのです。要は、段階を踏む、ということですね。そうして、次第に考えながら振ることを覚えていくと思います。

●柴原洋(しばはら・ひろし)
1974年5月23日生まれ。福岡県出身。北九州高から九州共立大を経て97年ドラフト3位でダイエー(現ソフトバンク)入団。11年現役引退。現役生活15年の通算成績は1452試合出場、打率.282、54本塁打、463打点、85盗塁。

写真=BBM
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