2018年はペナントレース858試合、クライマックスシリーズ13試合、日本シリーズ6試合と計877試合が行われた。数々の激戦がファンを熱狂させたが、果たして各球団のベストゲームは？　セ・リーグ6球団の今季最高の試合を見ていこう。

読売ジャイアンツ

■10月9日　阪神戦（甲子園）　9対4

　勝てば自力でのCS進出が決まるレギュラシーズン最終戦。すでに高橋由伸監督の、今季限りでの退任も決まっており、どうしても落とせない一戦だった。阪神と相性の良いC.C.メルセデスを先発に立てるも6回途中4失点の苦しい展開。ここでチームを救ったのがチームの主砲に成長した若き四番・岡本和真だ。4対4で迎えた7回、先頭で打席に立つと、32号本塁打を左翼席に叩き込み勝ち越しに成功する。8回にも2打席連続の33号本塁打を放ち、シーズン100打点を達成で阪神を突き放した。最後はエース・菅野智之がマウンドに登り、3人締めでCS進出を決めた。

広島東洋カープ

■7月20日　巨人戦（マツダ広島）　10x対9

　西日本豪雨災害が広島を襲った7月。9〜11日の地元開催の阪神戦は中止になった、オールスターを挟み、最初のホームゲーム。相手は7連勝で乗り込んできた巨人だ。試合前には両チームの監督、選手による義援金の呼びかけも行われた。広島は2回までに安部友裕、松山竜平の本塁打などで7点をリードしたが、野村祐輔が5回6失点するなど追いつかれ延長戦へ。10回表に岡本和真に勝ち越しソロを許してしまう。しかしその裏、二死一塁から下水流昂がライトポール際へ逆転サヨナラ2ラン！　勝利で広島の人たちを元気づけたいというナインの執念が実った。広島はこの一戦から巨人をスイープ。逆転への望みをほぼ断ち切り、独走態勢を築いた。

阪神タイガース

■9月16日　DeNA戦（横浜）　20対4

　9月16日に一軍昇格し、同日のDeNA戦で7月26日以来の先発となった藤浪晋太郎。再起をかけてのマウンドを自らのバットと同級生のバットが後押しをした。2点リードした3回一死満塁で打席に入った藤浪。外角の真っすぐを左中間スタンドに放り込む満塁弾を放つ。これで勢いに乗った猛虎打線が計20点を挙げ20対4の大勝。その中心が大山悠輔だった。1イニング2本塁打を含む、3本塁打＆6安打というセ・リーグタイ記録を作った。「同級生の晋太郎が先発でしたし、僕が助けてあげたかった」という絆がチームを大勝へと導いた。

中日ドラゴンズ

■8月16日　DeNA戦（ナゴヤドーム）　11対5

　この日の先発は松坂大輔。ナゴヤドームに3万5000人の観客を集めた。その大勢のファンの前で、平田良介が先頭打者弾を放つ。すると2回と4回に二塁打、5回に三塁打をマークし、7回にはシングルヒットが出て、見事にサイクルヒットを達成した。惜しみない拍手が平田に送られるなか、8回のマウンドに立ったのは、今季初登板の浅尾拓也だ。一死満塁のピンチを背負うも、ファンの歓声が背中を押し、無失点で切り抜けた。松坂が先発して勝利投手となり、平田がサイクルを達成、竜史上最強セットアッパーの浅尾が元気な姿を見せるなど、ファンにとってはたまらない1試合だった。

東京ヤクルトスワローズ

■9月4日　中日戦（神宮）　12x対9

　9回を迎えた時点で3対9と6点のビハインド。敗色濃厚の中、打線が驚異の粘りを見せた。まずは無死一塁から武内晋一の2ランで逆襲をスタート。坂口智隆、青木宣親、山田哲人の3連打でさらに点差を縮めると、雄平の2点適時打で8対9とついに1点差に。そして二死一塁から代打・大引啓次が適時二塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。迎えた延長11回、二死走者なしから四球、安打で好機を作ると、守備から途中出場していた上田剛史が今季1号本塁打を右翼席へたたき込んだ。小川淳司監督は「奇跡のようなゲームだった」と、興奮を隠し切れない様子だった。

横浜DeNAベイスターズ

■9月25日　広島戦（マツダ広島）　5対3

　広島が3連覇に王手をかけ迎えた一戦はDeNAにとってもCS進出に望みをつなぐ大事な試合だった。2回に筒香嘉智のソロで先制するも中盤に同点とされてしまう。ここからラミレス監督得意の“マシンガン継投”で何とかカープ打線を封じ込めると、8回にロペスの決勝2ランが飛び出し、最後はクローザー・山崎康晃が締めて5対3で勝利。チームが一丸となり、昨年終盤のような一体感で目の前の胴上げを阻止、意地を見せた。

写真＝BBM