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あの名手も“条件付き”で太鼓判!? 巨人・岡本和真の本当の守備力

 

11月上旬に行われた台湾との壮行試合と日米野球では、全7試合のうち5試合でサードの守備に就いた岡本和真。重圧の中、まずまずの動きを見せた


 2018年シーズンにプロ入り4年目で初めてフルシーズンを一軍で過ごしたばかりか、6月以降は四番に座り、NPB史上最年少で“3割、30本塁打、100打点”をクリアした巨人の岡本和真が、来季、新たなステップに進む。

 長嶋茂雄終身名誉監督、原辰徳新監督らが現役時代に守った伝統の“巨人軍の四番・サード”で起用するプランを、その原監督が明らかに。「サードを中心に、と言うほうが正しいと思いますね。ファーストも外野も守れるのは、彼の特長ですけど。打順は四番。そういうふうな位置でやってもらいたいね」と期待をかけた。

 岡本自身も「やりたいです」と意欲を示し、一足先に11月上旬に行われた日米野球でも全7試合(台湾との壮行試合含む)のうち5試合でサードの守備に。この姿をつぶさに観察していたのが16年から今季まで巨人の内野守備走塁コーチを務め、侍ジャパンでも同職に就く井端弘和氏だ。

 指導を始めた当初を振り返り、「一言で言えば、守備はヘタだったよね」と同氏は笑う。「その原因はフットワーク。バウンドが合わないと、ノッキングをおこしたみたいに途端に不自然な足の運びになる。ここが狂えば、当然、スローイングも安定しない。体もかたかったから、まずはスムーズな足の運びを身に付けることと、体を柔らかくすることから始めました」と基礎の基礎からのスタートしたことを振り返ってくれた。

 来る日も来る日もこれを繰り返し、岡本も井端氏の教えに食らいついたことで悪癖は改善。また、今季は一塁をメーンに守ったことも良かった。「『まず捕球』の意識が身につきました。おかげで捕る、投げる、のバランスが良くなった。スローイングも焦って突っ込むようなフォームで安定しませんでしたが、これもバッティングと同じ。しっかりと軸足に乗せて投げる意識付けをし、練習で繰り返したことで、今はまずまず見ていられます。もともと肩は強かったし、正しい体の使い方を練習したので、十分にサードを守れると思いますよ」と太鼓判を押す。

 ゴールデングラブ賞7度受賞の名手が言うのだから、来季のサード・岡本に期待をしたくなるが、今季限りで巨人を離れる井端氏は教え子にクギを刺した。「ただし、あと2〜3年、やってきたことを意識して続けられるか。横着をすればすぐに元の悪いクセが顔を出します。ただ、2〜3年頑張って続けられれば、イヤでも体に染みつきます。そうなったら、安心して見られるようになると思います」。

 果たして岡本は守備の師匠の期待に応えることができるか。

文=坂本 匠 写真=BBM
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