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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

ロッテのドラ1・藤原恭大と元祖・幕張のスピードスターの共通点

 

藤原は新入団会見で大きな目標を掲げた


 高い目標を掲げ、あえて口に出すことで自分を奮い立たせるタイプなのか――。「自分はそういうタイプです」とロッテのドラフト1位、藤原恭大は言う。

 12月4日に行われた新入団会見では「1年目から活躍して新人王を獲りたい。30盗塁以上を目標に」と抱負を語り、さらに「アピールポイントは足。“幕張のスピードスター”と呼ばれるように頑張りたい」と続けた。

 特大のポテンシャルを秘めていることに疑いはないが、簡単な目標ではない。それでも、高いゴールを設定する。「そうやって目標を設定して、そこに向けて頑張ることで力をつけて、これまでもしっかり達成することができましたから」。

 すると、横で話を聞いていたロッテのK広報がつぶやいた。「西岡もそうでしたよ。あえて自分にプレッシャーをかけちゃうっていう」。元祖・幕張のスピードスター。藤原にとっては大阪桐蔭高の先輩でもある西岡剛だ。

 2003年にドラフト1巡目でロッテに入団すると、2年目に頭角を現し、3年目の2005年にはレギュラークラスとなって41盗塁で盗塁王を獲得している。21歳にしてチームの日本一に大きく貢献した。だが、逆に言えば、あの西岡でも完全ブレークを果たしたのは3年目だった。

 もちろん、藤原はただのビッグマウスというわけではない。むしろ、謙虚過ぎるのでは、と感じるほどだ。「今のままではすべてが通用しない。足の速さだけは通用するかもしれないけど、走塁技術を合わせれば本当に下だと思います。でもドラフト1位で指名していただいて、期待されていると思う。すべてをやっていかなければならない」。

 来年の1月10日からロッテ浦和で新人合同自主トレが始まる。「いいスタートを切りたい」という藤原は、そこに向けて練習の強度を上げていくという。周囲の大きな期待をすべて受け止め、その期待に応えるために、自分を鼓舞するかのように高い目標を口にする。果たして藤原の言葉にはどれほどの言霊が宿っているのか。今から楽しみだ。

文=杉浦多夢 写真=BBM
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