プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は2012年12月28日だ。
日本時間のこの日、巨人とヤンキースなどで活躍した
松井秀喜が20年間にわたる現役生活にピリオドを打った。現地時間27日、ニューヨークのホテルで行われた記者会見で正式に引退を表明。約45分間、松井らしく、さわやかに、ジョークを交えながら野球人生を振り返った。
「頑張ってきたつもりですけど、そんなに苦労してきたかな、と思うと別にそうでもない気がします。もう少しいい選手になれたかも、ですかね」
日本球界で332本塁打、メジャー・リーグで175本塁打。日米通算で507本塁打を放った長距離砲は会見の途中、20年間で最も印象深いシーンを聞かれ、少し間を置いて、次のように言葉を続けた。
「いっぱいありますね。やはり長嶋(
長嶋茂雄)監督と2人で素振りをした時間ですかね。それが僕にとって一番印象に残っているかもしれない」
そう答えたとき、松井の目には熱いものが光った。
写真=Getty Images