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巨人ドラ1・高橋優貴が始動も、焦りは禁物

 

1月9日に新人合同自主トレの初日を終え、報道陣に囲まれる巨人高橋優貴


 連日、新入団選手の入寮や、合同自主トレ開始のニュースが誌面を飾っているが、巨人も1月9日に川崎市のジャイアンツ球場で新人合同自主トレーニングをスタートさせた。

 先頭に立ってこの練習を引っ張ったのがドラフト1位の高橋優貴投手(八戸学院大出身)だ。育成選手を含め10人の指名選手のうち、唯一の大学生で、ほか9名は高校生。即戦力の期待を一身に背負っており、力が入るのも当然だろう。

 高橋は茨城県出身ながら東京の東海大菅生高を卒業後は、青森の八戸学院大での武者修行を経て大学球界NO.1と呼ばれる左腕となって、再び東京に舞い戻った先発タイプの投手だ。その成長の陰には昨夏の甲子園で“金農旋風”を巻き起こした吉田輝星(金足農高→日本ハム1位)を技術指導したことで知られる正村公弘監督の存在がある。

 正村監督は東海大、NTT東京でプレーした左腕で、投手育成に長けた指導者。「ウチに来たころからいいボール、強いボールは投げていました」と1年時から公式戦で起用しながら、フォーム改造やトレーニング法、変化球の使い方、マウンドでの心の持ち方など、折に触れて的確に指導を行い、高橋も「何の特徴もなかった投手ですが、大学4年間で自分のスタイルが確立できたと思います」と八戸での4年間に感謝する。この結果、球速は最速152キロまで伸び、北東北大学リーグで連盟記録となる301個の三振を奪うなど、“みちのくのドクターK”と呼ばれるまでに成長を遂げた。

 当然、プロでも1年目から先発ローテーション入りが期待されており、新人合同自主トレ初日には原辰徳監督を始め一軍のコーチ、ファームのコーチが視察。首脳陣が見守る中、約40メートルのキャッチボールなど3時間程度の練習で汗を流した高橋は「いつも以上に緊張して練習したんですけど、いい感じで練習ができたかなと思います」と新たな一歩を踏み出した。

 ただ、無理は禁物。開幕に向けてアピールすべきはキャンプとその先のオープン戦であり、合同自主トレで故障してしまっては元も子もない。近年、巨人のドラ1が入団前の故障や自主トレ期間中のケガでキャンプ初日に一軍にいないことが多く、原監督からも「まず野球人として、プロ野球選手として、ケガをせずに」と選手たちも注意を受けている。焦らずに一歩ずつ進むことが肝要だろう。

文=坂本 匠 写真=大泉謙也
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