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エンゼルス新監督が語る大谷翔平の起用法

 

「エンゼルス打線に必要だが投球に悪影響が出ないようにしたい」


エンゼルスのブラッド・オースマス監督


 今週からはウインター・ミーティング(12月10日〜13日)で行われた監督会見からお届けする。今週はエンゼルスのブラッド・オースマス新監督。2000年から19年間指揮を執ったマイク・ソーシア監督に代わり就任した。

 オースマス監督は現役では捕手で、1993年から10年まで18年間、アストロズなどに在籍。ゴールドグラブ賞3度受賞、オールスターにも1度選出された。14〜17年まではタイガースの監督。1年目にア・リーグ中地区優勝。通算314勝332敗。今季はエンゼルスでGM特別補佐を務めた。

 1969年4月14日、コネチカット州ニューヘブン生まれ。父はヨーロッパ中世史の教授。学業で鳴るアイビーリーグのひとつ、ダートマス大出身。

――タイガースで監督経験がありますが、今回ではどのような違いがありますか。

オースマス ターガースの監督になったときはタイガースにバックグラウンドはなかった。シーズン中に入っても球団の人間を覚えていた。だが今回は、18年シーズンはエンゼルスにいたので球団の人間はみな知っているし、選手も分かる。選手も私のことを知っていると思う。タイガースではスプリングトレーニング初日に選手の90パーセントには“初めまして”とあいさつしたけれど、今度はそういうことはないからね。

――プホルス選手と大谷翔平選手がDHでかぶりますが、どう使い分けるのでしょうか。

オースマス バランスを考えることになる。プホルスのヒザの状態を考慮したい。大谷は無理して開幕に間に合わせることはない。

――大谷選手のメジャー1年目はどう見ましたか。

オースマス 長い間、誰もできなかったこと(投打二刀流)を彼はやっている。彼にはありあまる才能がある。スプリングトレーニングで彼の打撃練習を初めて見たとき、その飛距離にド肝を抜かれた。特に逆方向への打球の飛距離には驚いた。ミギー(タイガース、ミゲール・カブレラ)のようだった。あんな選手は見たことがない。それと、印象的なのはスピードだ。守備に就かないから目立たないけれど、あの身長であの俊足だったら、NFLのワイドレシーバーが務まるんじゃないかな。大谷ほどの俊足といったら、トラウトくらいだろうね。

――大谷のカムバックについてはどのような展望でしょう。

オースマス 彼の場合、トミー・ジョン手術からの復帰はほかの投手と違う。二刀流では例のないことだからね。なんとしてでも彼のヒジは守りたい。投手としての復帰は20年になる。彼の打棒はエンゼルス打線に必要だけれども、彼の投球に悪影響が出ないようにしたい。復帰のメドは、具体的には設定していない。

――来季の彼はもっとよくなりますか?

オースマス 19年は18年よりも居心地がよくなるんじゃないかな。1年間、メジャーの投手を見た。経験を積んだ。それは大きなプラスになるはずだ。だが半面、相手の投手もこの1年間、打者・大谷を見てきた。そのあたりはギブ・アンド・テイクだと思うな。

――大谷をカブレラと比較しましたが、違うところは何でしょう。

オースマス ミギーはメジャーで10年以上実績を残してきた。だが大谷はまだ若い。そこが違いだ。ただ、大谷にミギーと同じことができないというわけではない。彼にはまだ無限に伸びシロがあると思う。

取材・構成=樋口浩一 写真=Getty Images
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