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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

秋山が青木に問い掛けた。「燃え尽きていたのは、結果を出すのが当たり前という見られ方もされていたからですか?」

 


 先週発売の週刊ベースボールでヤクルト・青木宣親と西武・秋山翔吾の対談を掲載した。長いプロ野球の歴史でシーズン200安打を超えたのはわすか6人だが、その中に名を連ねている2人。約60分の対談は時間があっという間に過ぎるほど盛り上がったが、秋山が青木の話で最も過敏に反応した部分がある。それが以下だ。

――青木選手は、メジャーでプレーした経験はやはり大きかったですか。

青木 はい。まったく違うことをやった気がします。野球とベースボールで。雰囲気もそうですけど、やっぱり異国でプレーするのは相当きついことです。大変。食事や言葉など、いろいろなことが分からないので。アメリカになるべく合わせるというか、なんでも受け入れようとしました。「これは絶対にしなければいけない」と思わないで、新しいことにどんどんトライして、自分の形を見つけていくというか。だからメジャーに行った30歳くらいで、また野球が楽しくなりました。そういう状態で日本に帰ってきた。野球に対しての情熱は今のほうがあります。

秋山 そうなんですか!

青木 何年でもやっていたい。そのために、しっかりケアしたり、練習したりというのはあるけど。そういう気持ちになっているのが、すごくうれしい。どっちかというとメジャーに行く前、日本にいた最後のころは燃え尽きていた。野球に対して、ちょっと悩んでいた感じ。

秋山 燃え尽きていたというのは、結果を出すのが当たり前という見られ方もされていたからですか?

青木 それもそうだし、苦しいのもあった。当時のやり方だと、それ以上のレベルアップはないな、と。先が少し不安になっていた状況が続いていたからメジャーでプレーすることは、すごく自分にとっては良かったと思う。環境を変えることはすごくお勧めだよ。

 今年が3年契約の3年目となる秋山はオフの契約更改で、さらなる複数年契約を提示されたが、それを固辞。「まずは3年間、やり抜いてから」と語ったが、今年中に海外FA権を取得見込み。視線の先にメジャー・リーグがあることも明かしているが、とにかく悔いの残らない選択はしてもらいたい。

文=小林光男 写真=榎本郁也
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