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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

長野久義の想いが詰まったグラブでキャンプイン

 

1月29日、ミズノ社の復刻グラブを手に今年初めてブルペン入りした巨人菅野智之


 2月1日のキャンプインに向けて、KIRISHIMAヤマザクラ宮崎県総合運動公園で1月28日から行われていた巨人一軍メンバーによる合同自主トレが、1月30日に打ち上げられた。

 2日目の29日には菅野智之が今年初めてのブルペン入り。捕手の小林誠司を相手に直球だけではなく、スライダーやカーブ、カットボールなど多彩な変化球も交えながら41球を投じ、「今の段階では目に見える課題が見つからないぐらい状態がいいです。あとは球数を増やしながら、微調整をしていきたい」と充実の表情を見せた。

 キャンプイン前とは思えないデモンストレーションを行ったマウンドで、菅野が手にしていたグラブ(写真)が新鮮だった。

 ブランドアンバサダーを務めるミズノ社のもので、現行のグラブとは異なる、“赤カップ”に“MIZUNO”の旧ロゴを使用した70〜80年代の復刻モデル。“赤カップ”はプロ野球選手の多くが愛用した硬式グラブのアイコンで、当時の野球少年たちの憧れの的(青カップが軟式用、緑カップがソフトボール用)だったものだが、なぜいま復刻モデル?

「実はこのグラブ、長野さんからいただいたものなんです。広島に移籍することが決まったあと、『勇人と智之には、オレの想いを継いでほしい。一緒のグラブでキャンプインしよう』といただきました」

 多くを語りたがらない長野久義だが、野球に対する想いは誰よりも強く、勝利には誰よりも貪欲。広島への移籍が決まり、チームをけん引する立場で苦楽をともにした坂本勇人と菅野に、グラブにメッセージを込めて惜別のプレゼントにした、というわけだ。

「(想いを)受け取りました」と笑顔の菅野だったが、今季からライバルとして立ちはだかる長野に対して聞くと、「間違いなく一流のバッター。全力で勝負に行きます」と表情を引き締める。「高めは要注意ですね」と話し、そっとグラブを抱えた。

文=坂本 匠 写真=BBM
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