先発ローテーション入りを狙う福井(左は石井GM、右は佐藤投手コーチ)
春季キャンプの第1クールを終え、
楽天の先発ローテーション入りに
福井優也が名乗りを上げた。昨オフ、
菊池保則とのトレードで
広島から楽天入りした福井は春季キャンプを一軍で迎えると「イメージより球がきている。いい球を放る」と
平石洋介監督から高評価を受けた。
楽天は
則本昂大、
岸孝之以外の先発ローテの枠はまだ定まっていない。筆頭候補は右ヒジ手術からの復活を期す
美馬学、規定投球回には届かなかったが昨季23試合に登板した
辛島航の二人。さらに続くのが3年目の
藤平尚真だが、そこに福井が加わったと言えそうだ。
福井は昨季までの8年間で109試合に出場、29勝36敗。ルーキーイヤーの11年に27試合に登板し8勝を挙げ、15年には9勝するも、以降の成績は下降線をたどり新天地で心機一転、飛躍を誓うこととなった。
チームも最下位からの逆襲に先発陣の安定は欠かせない。だが、まだまだ人材不足。若手では昨季初勝利を挙げた
古川侑利や
安樂智大、ルーキーの
鈴木翔天らがその座を狙うが、1年間一軍帯同できるかは不安なところ。そういった意味でも1年間先発ローテを守れる体力のある福井の存在は大きい。
また、
石井一久GMは「バックアップでいる人は、経験がある人というのがすごく大事だと思っています。試合展開を読む力もありますから」と福井加入の大きさを語っていた。バックアップとしての獲得ではないが、たとえ先発ローテから外れることがあっても、一軍に帯同する可能性は大きい。それだけチャンスも増えるだろう。
制球力の安定が課題ではあるが、それをクリアできれば一軍の戦力となるだけの力は十分だ。31歳を迎え、1年でも早く結果が欲しい福井にとって春季キャンプでさらなるアピールは必要。背水の覚悟で臨む背番号31に今後も注目だ。
文=阿部ちはる 写真=井沢雄一郎