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谷繁元信コラム

抜けたと思った打球を好捕!荒木雅博の守備範囲の広さは随一/谷繁元信コラム

 

『ベースボールマガジン』で連載している谷繁元信氏のコラム「仮面の告白」。ネット裏からの視点を通して、プロ野球の魅力を広く深く伝えている同氏だが、今回のテーマは昨季限りで現役を引退したかつての仲間、岩瀬仁紀浅尾拓也荒木雅博だ。最後は荒木についてつづる。

守りから築いた地位


抜群の守備でチームを何度も救った荒木


 荒木雅博はあの守備範囲の広さに僕は驚きましたね。キャッチャーは事前に守備位置を確認していて、打たれた瞬間に「あ、抜けた」と大体思うものなんですけど、その打球に追いついていましたからね。おお、助かった〜みたいなケースが何度もあります。僕はいままでいろんな内野手と一緒にやってきましたけど、守備範囲に関していえば荒木が一番広かったと思います。

 あとは走塁の技術ですよね。打球判断も、ベースを回るのも速かった。いざという場面が来れば、頼りになるヤツだと思っていましたよ。

 荒木も2000安打を放った。僕もそうでしたけど、2000本なんて打てるとは荒木本人も思ってなかったと思うんですよね。大記録を達成できたのは、守りから地位を築いたということです。守りがあるから試合に出られた。その結果、2000本までたどり着いたということでしょうね。

 時代は巡ります。彼らの引退に伴い、ドラゴンズは新時代の扉を開かなければいけません。根尾昂というルーキーも入ってきた。荒木が引退して、その年のドラフトで根尾を引き当てたのは、これも運命的なものを感じます。

 荒木と浅尾拓也はコーチとして球団に残りますから、彼らが培ってきた大切なものを後進に残していってくれればいい。いまのドラゴンズは時代の端境期。一度崩れたものを立て直すには相当な労力がかかると思うんです。起こった出来事には必ず原因があるはずですから、6年連続Bクラスの原因と向き合い、みんなで話し合った上で、チームとして同じ失敗を繰り返さないようにしていかなければいけないと思います。

 岩瀬仁紀は僕と同じような立場になりますけど、まず体をもう一回整えて精神的にも安らいで次の道を見つけていってもらえればいいです。解説? まあ彼も見る目はありますからね、あとはそれをどう表現して伝えられるようになるかです(笑)。

写真=BBM

●谷繁元信(たにしげ・もとのぶ)
1970年生まれ。江の川高校(現・石見智翠館)にて甲子園に出場し、卒業後、ドラフト1位で横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ)に入団。98年にはベストナイン、ゴールデングラブ賞、最優秀バッテリー賞を獲得しチームの日本一に大きく貢献。2002年に中日ドラゴンズに移籍。2006年WBC日本代表に選出され、2013年2000本安打を達成。2014年シーズンから選手兼監督になり、2016年現役引退を表明。通算3021試合出場、27シーズン連続安打、同本塁打を達成(いずれもNPB歴代最高)。2016年に中日ドラゴンズを退任後は、各種メディアで評論家、解説者として活動を行う。著書に『谷繁流キャッチャー思考』(日本文芸社)。

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