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球界デキゴトロジー/4月6日

広島・前田健太がセ・リーグ史上35人目のノーヒットノーラン(2012年4月6日)

 

9回裏二死一塁、DeNA・梶谷の打球を自ら処理し、一塁へ送球。その瞬間、前田は両手を天に突き上げた


 野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は2012年4月6日だ。

 快記録まであと1人。左翼席からの“健太コール”が右腕の背中を押した。DeNA戦(横浜)、9回二死一塁。梶谷隆幸に投じた広島前田健太の122球目は、ピッチャー前へ転がった。自らのグラブでつかみ一塁へ。その瞬間、背番号18は両手を横浜の空へ高々と突き上げた。

「9回までは(ノーヒットを)意識していなかった。最後は無心でした」

 プロ野球史上74人目、リーグでは06年の中日山本昌以来6年ぶりのノーヒットノーラン達成。広島では1999年の佐々岡真司以来4人目で、偉大な先輩から受け継いだ背番号「18」を背負って、圧巻の投球を披露した。

「序盤から調子が良くて、ボールも低めに集められた」

 最速150キロの直球、キレのあるスライダーを軸にDeNA打線を封じ込んだ。6回二死から代打・内藤雄太に四球を与えたが、「(完全試合は)頭になかった」と、冷静さを保った。

 しかし、9回のマウンドでは“悪夢”が頭をよぎる。昨年10月22日のリーグ最終戦、ヤクルト戦(神宮)。9回一死までノーヒットも、ヤクルト・藤本敦士に左翼線へ二塁打を許し、最後は逆転負けを喫していた。

 4月11日には24歳の誕生日を迎え、楽天田中将大日本ハム斎藤佑樹らが居並ぶ世代の中では最速での快挙達成。これには「良いピッチャーがたくさんいる中で、一番乗りはうれしい」と素直に喜んだ。

写真=BBM
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