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平成プロ野球史

セは「10.8」で巨人が優勝、パはイチローが210安打/平成プロ野球史(6年/1994年編)

 

 新元号「令和」が発表され、平成のカウントダウンが加速している。
 今回からシリーズで平成元年の1989年から2018年まで、年度別にMVP、ベストナインを選んでみた。
 この手の企画では、いつも書いているのだが、あくまで編集部選定。異論反論は多いと思うが、ご容赦いただきたい。
 なお、当連載は土日は休み。

最終戦直接対決で決めた国民的行事


リーグ優勝を達成し、胴上げされる巨人・長嶋監督


1994年(平成6年)順位表
セ(1巨人2中日3広島4阪神ヤクルト6横浜)
パ(1西武2オリックス3近鉄4ダイエー5ロッテ6日本ハム
※日本一は巨人

 前年1993年オフ、FA制度がスタートし、戦力図が大きく変わった。

 特に「長嶋(茂雄)監督を胴上げするために来た」と入団会見で言った、三冠王3度の強打者・落合博満が加入した巨人が、斎藤雅樹槙原寛己桑田真澄の先発三本柱、2年目の松井秀喜の急成長もあり、セ・リーグで順調に勝ち星を重ねる。

 その後、9月に入り急失速。最終戦前に中日と並ばれ、史上初の同率最終戦直接決戦「10・8」を迎えたが、これを制し、優勝。日本シリーズでは宿敵西武を撃破して日本一となった。

 西武が5連覇のパだが、話題の中心はオリックスのイチローだった。
 初の規定打席到達で史上最多210安打を達成し、オフには近鉄の野茂英雄が契約でもめ、その後、メジャーへ渡った。

 日本球界の歴史にとって大きなターニングポイントになった年でもある。

MVPはオリックス・イチロー


イチロー人気が社会現象となった


1994年(平成6年)
本誌選定MVP
イチロー(オリックス)
史上初の200安打超え!

 前年までは一、二軍を行ったり来たりだったが、この年、仰木彬監督の指示で登録名を本名の鈴木一朗から変えてプロ3年目の大ブレーク。独特の振り子打法で史上初めての200安打超えを果たして最終的には210安打まで伸ばした。

ベストナイン
[先発投手]
山本昌広(中日)        
29試合19勝8敗0S、防御率3.49
前年は3人並んでの最多勝だったが、この年は単独でトップに

[抑え投手]
赤堀元之(近鉄)         
45試合9勝4敗24S、防御率1.82
3年連続最優秀救援投手、3年連続防御率1点台

[捕手]
吉永幸一郎(ダイエー)      
123試合123安打19本塁打55打点0盗塁、打率.284
クリーンアップの一角で安定した打撃を披露。好リードも光った

[一塁手]
大豊泰昭(中日)
130試合148安打38本塁打107打点1盗塁、打率.310
主軸として活躍し、本塁打王と打点王に輝く

[二塁手]
和田豊(阪神)
130試合165安打2本塁打43打点8盗塁、打率.318
打っては打率4位。堅守も際立った

[三塁手]
江藤智(広島)         
105試合125安打28本塁打81打点7盗塁、打率.321  
故障も欠場もあったが、8月に月間16本塁打

[遊撃手]
野村謙二郎(広島)
130試合169安打10本塁打61打点37盗塁、打率.303
盗塁王を獲得し、この年から表彰が始まった最多安打にも

[外野手]
イチロー(オリックス)
130試合210安打13本塁打54打点29盗塁、打率.385

カズ山本(ダイエー)
115試合133安打11本塁打62打点3盗塁、打率.317
バントをしない二番と話題に。DH出場が多かった

パウエル(中日)
110試合137安打20本塁打76打点3盗塁、打率.324
パワーに加え、技術も光って初の首位打者

[指名打者]
ブライアント(近鉄)
105試合128安打35本塁打106打点0盗塁、打率.293
2年連続本塁打王。打率もよかったが、三振もしっかり153

写真=BBM
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