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甲子園出場なるか。埼玉にいた「坂本勇人二世」

 

埼玉栄高の遊撃手・北口恭輔は50メートル走6.0秒、遠投100メートルと攻守走の3拍子がそろう


 181センチ、75キロ。右投げ、右打ち。背丈といい、バットを構えたポーズといい、誰かに似ている。しかも、遊撃手。本人に確認すればやはり、巨人坂本勇人があこがれの存在だという。

 埼玉栄高・北口恭輔はこの1年で急成長を遂げた。背番号16を着けた昨夏、コンディションが万全でなかった先輩に代わり、遊撃手での出場機会を得ると、3試合連続安打。同秋からは遊撃の定位置を獲得し、今春の県大会では2試合連続本塁打を放った。センバツ甲子園を経験した春日部共栄高との準々決勝では、右腕・村田賢一から左右に打ち分ける3安打(右中間三塁打、中前打、右前打)と確かな自信をつけている。

 中学時代はダルビッシュ有(カブス)を輩出した羽曳野ボーイズでプレー。東北高(宮城)、九州国際大付高(福岡)から同チームと縁があった若生正廣前監督(4月から総監督)に誘われ、大阪から埼玉栄高へ進学している。その着眼点が、興味深い部分だ。

 母・律子さんが元実業団のバレーボール選手というキャリアに注目。北口は同ボーイズでは目立った実績を残していないが長年、中学生を見てきた視点から若生総監督は「間違いなく伸びる」と、その素材に惚れ込んだという。父・勝さんも元高校球児で、妹はこの春、ゴルフの名門高校に進学したアスリート一家。北口は柔軟、トレーニングを重要視する若生前監督の下、基礎体力向上を図り、ブレークにつなげたのである。

「秋、春と県大会で8強。この夏は勝ち上がって甲子園に行って、(大阪の)仲間に良いところを見せたい。育ててもらった指導者にも、恩返ししたいです」

 好きな言葉は「勇往邁進」。1998年夏以来の甲子園を目指す、埼玉の「坂本二世」から目が離せない。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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