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週べ60周年記念

大洋の非情の首切り/週ベ回顧

 

 昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

マッシー村上のメジャー擁護


表紙はカージナルス戦の巨人高田繁


 
 今回は『1968年11月18日号』。定価は60円。

 前回、酷評したカージナルスだが、4戦目以降は4連勝だ。67年のワールドチャンピオンであり、68年はナ・リーグの覇者。投手ではギブソン、打者ではセペダ、ルー・ブロックら大物がいた。その実力を少しずつ発揮、ということだろうか。
 それでも第8戦(甲子園)では、阪神江夏豊と南海・村上雅則の好投で全日本が3対0の完封勝利。特に江夏の快速球にはメジャー・リーガーも歯が立たなかった。
 江夏はこれがこの年の日米ではラスト登板。2試合ながら世界の奪三振王の力はしっかり見せた。
 
 村上は、
「僕のピッチングがよかったからではないですよ。カージナルスの連中は知っているけど、シーズン中なら三振を取られると目の色を変えるけど、セペダなんかニヤニヤしてるしね。親善野球を楽しんでやってますよ」
 とカージナルスを“擁護”。立場的に、メジャーが大したことないと言われるのは嫌だったのかもしれない。

 ジョー・ディマジオが来日し、大洋で臨時コーチをやっていた。実は、この時期、アットホームな大洋にしては珍しく、4人のコーチの首切りをした
 うち岩本コーチの首切りは、このキャンプで衆人環視の中、行われたという。
 ほかの3人には書類を郵送で送ったらしいが(これも冷たいが)、岩本だけは松原誠らの指導で評価が高く、森球団代表の早大の後輩でもあり、何とか解雇ではなく、他球団への移籍の形を取ろうとし、前監督・三原脩が率いる近鉄の内諾をもらっていた。

 ただ、秋季キャンプでグラウンドで岩本コーチの姿を見つけた別当薫監督が、すでに伝えてあると勘違いしたのか、岩本を呼び出し、
「来シーズンいない人がグラウンドにいては困る」
 と言ったらしい。

 いよいよドラフトが近づく。今回の目玉は亜大の大橋穣と法大の田淵幸一の大物ホームラン王。大橋は「巨人は嫌い」と言っていた。

 では、またあした。
 
<次回に続く>

写真=BBM

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