阪神タイガース
エースの
メッセンジャーが引退したことで、先発の枠が一つ空いたともいえる。そこを埋め、優勝争いを展開するには、やはり藤浪晋太郎の力が必要だ。2017年3勝、2018年5勝、そして今季0勝で1試合のみの登板。高卒ルーキーとして入団から3年連続で2ケタ勝利を飾ってきた。しかし、ここ数年の不振から今季も復調できなかった。秋季キャンプでは
山本昌臨時コーチからアドバイス、コーチングを受けるなど、復活に向け必死に模索している。真っすぐの勢いは今でもチームNo.1だけに来季、完全復調すればチームに大きな勢いがつくはずだ。
読売ジャイアンツ
日米通算170勝の実績を引っ提げて、8年ぶりに日本球界に復帰を果たした岩隈久志だったが、巨人移籍1年目は一軍登板のないままシーズンを終えた。2017年秋に受けた右肩手術の影響もあり、開幕からファームでの調整が続き、8月21日のイースタン・
日本ハム戦(東京ドーム)で実戦登板を果たしたまでは良かったが、右肩の状態は一進一退。結果的に二軍で2試合に登板したのみに。来季に向けては3000万円減の2000万円(推定)で契約を公開しており、「一軍で投げることで巨人への恩返しになる。しっかり一軍で投げたい」と復活に意欲を燃やしている。
横浜DeNAベイスターズ
2年連続で60試合以上を投げ、DeNAのブルペンを支えてきた三上朋也が今年はわずか6試合の登板に終わってしまった。開幕直後に右ヒジの違和感を覚え、4月13日に登録抹消。5月にクリーニング手術を受けた。9月8日の
中日戦(ナゴヤドーム)で復帰したものの、1回3安打3失点と本来の投球とはほど遠い内容だった。今季はこの試合を最後に一軍に上がることはなかった。現在は100パーセントの状態で復活できるよう調整中。2000万円ダウンの8500万円(金額は推定)でサインした更改後には「ポジション問わず、一軍で投げたい」と語り、気持ちを新たにする。優勝を狙うためには、ブルペンに背番号「35」の存在が不可欠だ。
広島東洋カープ
広島では、2018年まで先発の一角として投げ、3年間で24勝をマークした岡田明丈の復活が待たれる。19年は制球の不安が顔をのぞかせ、一軍ではわずか3試合、計7イニングで11四球を与え、防御率14.14に終わった。そこから、持ち前の球威を保ったまま制球力を安定させるため、上下動の少ないフォームを模索。夏場以降はファームでリリーフとして投げ、自責点ゼロの結果を積み重ねてきた。
佐々岡真司新監督の構想では、その150キロ超の剛速球をショートリリーフで生かしていく方向。秋季キャンプの紅白戦では、良かったり悪かったりという結果だったが、来春キャンプでどこまで安定した結果を出せるかが注目される。
中日ドラゴンズ
今季の開幕投手を務めた笠原祥太郎の復活に期待が懸かる。昨季6勝を挙げた左腕には、2ケタ勝利など大きな飛躍が求められていた。しかし、5月に不整脈が発覚し、離脱。手術を経て一軍復帰も果たしたが、閉幕まで本来の調子を取り戻すことはできなかった。今季、同期で同級生の
柳裕也が先発ローテーションを守り切って2ケタ勝利。柳の活躍を横目に、悔しいシーズンとなった笠原は「来季は、今季の柳くらいの活躍を」と闘志を燃やす。今季遂げるはずだった、先発ローテを守って2ケタ勝利という目標は、来季こそ達成する。
東京ヤクルトスワローズ
昨季35セーブの頼れるクローザーの石山泰稚だが、今季はアクシデントに見舞われた。5月に上半身のコンディション不良で3年ぶりに登録抹消。また、7月には監督推薦により3度目のオールスター出場を決めたが、インフルエンザB型を発症して出場を辞退した。昨季71試合登板の鉄腕もさすがにフル回転とはいかず、34試合の登板に終わっている。安定あふれるピッチングは投手陣に不可欠。完全復活が待たれるところだ。
写真=BBM