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週べ60周年記念

藤田コーチの黒い交際?/週ベ回顧

 

 昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

太田人気はさらなる盛り上がりを


表紙は左の列が上から巨人王貞治ロッテ有藤通世、阪急・長池徳二、真ん中が近鉄・太田幸司、右の列は上から巨人・長嶋茂雄阪神田淵幸一中日谷沢健一



 今回は『1970年3月2日特大号』。定価は90円。
 恒例の名鑑号だが、表紙の真ん中は、やっぱり近鉄の新人・太田幸司だった。

 入団から大騒ぎが続いていたが、宮崎延岡でのキャンプは、市街地から離れているので、少しはファンが減るかと思われていた。
 それが休日には5000人以上が集まり、しかも見物客の8割が小中学生と女性だ。
 早くもオープン戦の巨人戦での登板も予告されていた。
 本人は
「たぶんKOされると思う。だからといって、別にどうとも思わないでしょう。新人なら、誰だって打たれるんじゃないですか。かえってKOされなかったらショックですよ」
 と真顔で言っていた。

 宮崎市でキャンプを行う巨人は、大騒動が起きていた。
 2月14日、正力亨オーナーが「藤田元司投手コーチを当分の間、謹慎」と発表。
 13日の朝刊で、藤田コーチと暴力団の黒い関係が報じられたことによる。

 状況は込み入っているが、要はこういうことらしい(この号の情報だが)。
 3年前の話だ。藤田コーチの義理の兄弟が経営し、藤田コーチ自身も役員に名を連ねる漁網の製造・修理の会社で、ある役員が社長の方針に反旗を翻した。
 社長は、その役員に退職を求めたが応じず、やむなく社長は役員に親しい人物に説得を頼み、その人物が「説得のために30万必要」と言い、藤田コーチがそれを手渡したという。

 これだけなら問題ないのだろうが、要は説得役の人物が暴力団で、説得ではなく、
「オレの言うことをきかんなら、お前をさらっちゃうぞ。ヤクザの怖いことは知っているだろう」
 と脅迫したのだ。

 その人物が12日に脅迫と詐欺の疑いで逮捕された。30万円も役員には渡らず、その人物の懐に入っていたという。
 藤田コーチはその人物が暴力団関係者と知らず、警察も藤田コーチはむしろ被害者側と認識しており、藤田コーチの名前をマスコミに明かすつもりはなかった。
 12日に新聞各社に匿名の電話があり、話が発覚したらしい。

 最後になりますが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 記事のアップ時、間違えて2019年としてしまい、すぐ削除はしましたが、混乱あればすいません。
 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM

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