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「81年世代」が正念場 鳥谷が引退危機で岩隈、サファテも背水の陣

 


 今年39歳の「81年世代」が野球人生の岐路に立たされている。昨季限りで阪神を退団した鳥谷敬は現役続行の意向を示しているが、各球団が春季キャンプを打ち上げた現在も所属先が決まっていない。

 メジャーから2018年オフに日本球界に復帰した巨人・岩隈久志も昨季は右肩のリハビリが長引いて一軍登板なし。年俸5000万円から野球協約の減額制限(1億円以下は25パーセント)を超える3000万円減の年俸2000万円でサインした(金額は推定)。移籍2年目の今季は背水の陣で臨むシーズンとなる。17年にNPB最多記録の54セーブをマークしたソフトバンクデニス・サファテも81年世代だ。昨季は11年からNPBでプレーして9年目で初の一軍登板なし。18年に右股関節の関節唇修復手術を受けて長期離脱した影響もあり、本来の球威を取り戻せなかった。サファテは1月下旬に自身のツイッターで、ブルペンでの投球練習を公開。「クローザーを奪う!2020年シーズンのスタートだ。これがプロで20年目になる」と思いをつづった。外国人枠を巡る争いは激しいが、もう一花咲かせられるか。

 81年世代は1学年上の「松坂世代」と比べてプロ入りした人数は少なく、地味な印象があるが、職人気質の好選手が多い。現在NPBに所属している選手はほかにヤクルト青木宣親、ソフトバンク・高谷裕亮、阪神・糸井嘉男中日藤井淳志日本ハム鶴岡慎也。かつてソフトバンクのスター選手で、昨季は台湾・味全でコーチ兼選手として2年ぶりに現役復帰した川崎宗則も同世代だ。

 現役引退した選手も、阪神・メッセンジャーマートンオリックス岸田護、ソフトバンク・馬原孝浩、巨人・脇谷亮太、日本ハム・田中賢介とチームに不可欠な主力として活躍した選手が多い。松坂世代は現時点で、通算2000安打、通算200勝、通算250セーブが資格条件の名球会に1人も入っていないが、81年世代は鳥谷、青木と2人が2000安打を達成している。さらに、岩隈が日米通算170勝、糸井も通算1624安打と狙える位置にいる。並外れた身体能力で「超人」の異名を取る糸井は野手転向してレギュラーに定着した日本ハム在籍時の09年から11年連続120安打以上積み重ねている。故障がなければ、81年世代で3人目の名球会入りの可能性は十分にあるだろう。

写真=BBM
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