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育成から支配下登録を勝ち取った外国人選手は? 活躍したのは?

 


 巨人のイスラエル・モタは、今年の春季キャンプで大きな注目を集めた育成選手だ。紅白戦、オープン戦と11試合に出場し、打率.341、1本塁打、9打点と活躍。この結果を受け、巨人は2月28日にモタを育成から支配下登録に移した。では、モタのように「育成から支配下登録を勝ち取った外国人選手」には、どんな選手がいたのか覚えているだろうか?

育成から支配下登録された外国人選手は?


 育成選手制度が導入された2006年から2019年シーズン終了までの間、育成枠から支配下登録契約を勝ち取った外国人選手は重複を除くと34人。以下に、各年の昇格外国人選手をまとめてみた。

●2007年
ラファエル・クルス中日
ウィルフィン・オビスポ(巨人)
エスマイリン・カリダ広島

巨人・オビスポ


●2008年
アーロム・バルディリス阪神
ウィルフィン・オビスポ(巨人)
チェン・ウェイン(中日)

※オビスポは2度目の支配下登録。チェンは支配下で入団した後に育成契約

●2009年
フアン・ムニスロッテ
レビ・ロメロソフトバンク

●2010年
ディオーニ・ソリアーノ(広島)
黄志龍(巨人)
レビ・ロメロ(ソフトバンク)
リン・イーハウ(巨人)

ロメロは2度目の支配下登録

●2011年
ファン・デレオン(ソフトバンク)
ラファエル・フェルナンデスヤクルト
フレディ・バイエスタスオリックス

●2012年
ジム・ハウザー楽天
ロバート・ザラテ(阪神)

●2013年
エディソン・バリオス(ソフトバンク)
鄭凱文DeNA

※バリオスは支配下で入団した後に育成契約。鄭凱文は阪神の支配下を経てDeNAで育成契約

●2014年
ルーク・ファンミル(楽天)
アブナー・アブレイユ西武
陳冠宇(DeNA)

●2015年
エディソン・バリオス(ソフトバンク)

※2度目の支配下登録

●2016年
アブナー・アブレイユ(巨人)

※西武退団後に巨人と育成契約

●2017年
サビエル・バティスタ(広島)
リバン・モイネロ(ソフトバンク)
アレハンドロ・メヒア(広島)
宋家豪(楽天)


●2018年
ライデル・マルティネス(中日)
ヘロニモ・フランスア(広島)
サムエル・アダメス(巨人)
クリストファー・クリソストモ・メルセデス(巨人)
ホルヘ・マルティネス(巨人)

●2019年
ルイス・ヒメネス(楽天)
オスカー・コラス(ソフトバンク)
エマイリン・モンティージャ(広島)
フアン・サンタナ(広島)
ルシアノ・フェルナンド(楽天)

 広島やソフトバンク、巨人が多くの外国人を支配下に昇格させているが、この3チームには早い段階から三軍制を導入しているという共通点がある。3年連続日本一になっているソフトバンクを筆頭に、広島や巨人もリーグの上位争いをしているチーム。三軍は有能な外国人を発掘し、チームの戦力アップにも大きく貢献しているといえるだろう(巨人のモタも三軍で力を付けた選手だ)。

どんな選手が活躍した?


ソフトバンク・モイネロ


 育成契約からスタートして支配下契約を勝ち取り、見事に好成績を残した選手は少なくない。例えば、ソフトバンクのモイネロは、2017年は34試合、2018年は49試合、2019年は60試合に中継ぎで登板。特に2019年は防御率1.52、34ホールドの好投でチームの3年連続日本一に大きく貢献した。

 モイネロと同じ中継ぎでは、中日のライデル・マルティネスも2019年に素晴らしい活躍を見せた選手。育成から昇格した2018年は7試合の登板に終わったが、2019年は43試合に登板して1勝4敗8セーブ14ホールド、防御率2.66と飛躍の年となった。また、広島のフランスアも中継ぎとして2018、2019年の2年間で114試合に登板。もはやチームに欠かせない中継ぎの柱に成長した。

 打つほうでは、紆余曲折はあるがアーロム・バルディリスが大当たりといえる選手。育成から支配下登録された阪神では思うような活躍ができなかったが、移籍先のオリックスでチームの主力打者として活躍し、次に移籍したDeNAでも2年間で250試合以上に出場。一時期は四番を打つなどチームを支えた。

お騒がせ助っ人も育成から昇格


 2019年に支配下登録された外国人選手は、残念ながらどの選手も目立った活躍はできなかったが、プレー以外で目立ってしまったのがソフトバンクのオスカー・コラスだ。2020年も契約は続いていたが年明けに突如消息を断った。MLBに移籍するために亡命を画策し、現在はスリナムに滞在しているとのこと。一連の騒動には複雑な背景もあるようだが、せっかくならばプレーで目立ってほしかった。

 過去の「育成から支配下登録を勝ち取った外国人選手」を紹介した。巨人のモタは、支配下登録後の2月29日の試合でも2ランと好調を維持。過去の育成から昇格した選手は投手での成功例が多いが、ぜひとも巨人の歴史に名を残す助っ人に成長してもらいたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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