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2本打っている選手も! これまで何人の投手が満塁本塁打を打っている?

 

 投手は野手と比べて打力が劣るため、安打を放つことはあっても本塁打となるとなかなか出ないもの。ましてや満塁弾はめったに出ないレアな記録だ。では、NPB史の中で「投手として出場した試合で満塁本塁打を放った選手」は何人いるのだろうか?

投手での満塁弾は過去17人が記録


1999年8月13日の横浜戦(横浜)でシーズン2本目の満塁弾を放った巨人ガルベス


 2リーグ制以前を含めると、以下の17人が投手として出場し、その試合で満塁本塁打を放っている。

古谷倉之助(大洋)1941年8月2日 対黒鷲
大下弘(東京セネタース)1946年6月2日 対中部日本
藤本英雄(巨人)1946年8月31日 対中部日本
川崎徳次(巨人)1949年4月26日 対大映
杉下茂中日)1950年4月21日 対西日本

江田貢一(松竹)1950年9月28日 対国鉄
高野裕良(大洋)1951年8月15日 対松竹
服部受弘(名古屋)1952年6月14日 対国鉄
米田哲也(阪急)1956年4月11日 対高橋
義原武敏(巨人)1957年10月21日 対大洋

成田文男ロッテ)1971年5月30日 対東映、1972年6月9日 対阪急
金田留広(東映)1972年9月22日 対南海
星野仙一(中日)1975年6月26日 対大洋
山本和行阪神)1981年6月23日 対広島
津田恒美(広島)1984年5月13日 対ヤクルト

バルビーノ・ガルベス(巨人)1999年5月21日 対阪神、1999年8月13日 対横浜
藤浪晋太郎(阪神)2018年9月16日 対DeNA

“フォークボールの神様”の杉下茂や登板数歴代2位の米田哲也、“燃える男”星野仙一、“炎のストッパー”の異名を持つ津田恒美など、球史に残る名投手の名前が並んだ。“青バット”で有名な大打者・大下弘の名前があるのが不思議なところだが、大下は1946年に7度先発し、投手での満塁弾を記録した。

直近では2018年9月16日のDeNA戦(横浜)で3回に阪神・藤浪が田中健二朗から満塁弾を放っている


 17人いる記録達成者のうち、成田文男とバルビーノ・ガルベスは2度満塁本塁打を記録。しかもガルベスは外国人投手としては唯一の記録者で、同一シーズンでの2度達成もこの一例しかない。審判に向かってボールを投げるといった問題行動もあったが、最多勝を獲得するほどの高い投球術、NPB通算10本塁打と打力も兼ね備えた優秀な助っ人投手でもあった。

 また、1952年6月に投手としての満塁弾を記録した名古屋の服部受弘は、同年8月の巨人戦で代打出場し、球団初の代打逆転満塁弾を放っている。この試合では満塁弾を放った後にリリーフとしてマウンドに上がり、勝利投手になるという珍記録を達成した。

 1950年に2リーグ制になってからは800〜1000試合前後の試合が毎年行われており、これまでに少なくとも5万6000試合以上は行われている計算になる。にもかかわらず、わずか19回しかないと考えると、投手の満塁弾は相当なレアケースだといえる。

 最近では2018年に阪神の藤浪晋太郎がガルベス以来19年ぶりの満塁弾を記録して話題になったが、果たして次に飛び出すのは何年後になるのか。投手が打席に立つ際は期待せずに見てしまうものだが、「奇跡の瞬間」を見逃さないようにしたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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