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開幕戦で通算6000勝に挑む巨人の、最初の勝利は?

 

今季の開幕投手に指名されている巨人菅野智之


 6月19日の阪神戦(東京ドーム)で、3年連続6度目の開幕戦マウンドに立つ巨人・菅野智之が万全の仕上がりを見せている。12日の日本ハムとの練習試合(東京ドーム)に先発し、2本のソロアーチを許したものの、5回82球6安打2失点。最速は153キロを記録し、高めの力強い速球に低めへの鋭い変化球をまぜ、高低差を巧みに使ったピッチングを披露。この日は同級生の小林誠司とバッテリーを組み、9つの三振を奪っている。ヒットこそ許すも後続を断ち、「本番さながらの投球だったと思います。良い調整になりました」と表情も明るい。

 これまで開幕戦で3勝を挙げている菅野は、19日の開幕戦で勝てば4勝の別所毅彦斎藤雅樹に並び、球団開幕戦最多勝利投手に。また、チームは通算5999勝4291敗325分で2019年シーズンを終えており、通算6000勝のメモリアルな1勝を目指すことになるが、「チームを鼓舞するようなピッチングをして、勝利できれば最高です」と頼もしい。

 ここまで5999もの勝ち星を積み上げてきた巨人の、公式戦1勝目は、36年7月3日、戸塚球場で行われた「第1回全日本野球選手権大会」における大東京戦、10対1で勝利した試合だ。

 34年12月26日の創立から1年以上経過しての“初勝利”は、どこよりも早く本格的な職業野球チームを発足させた巨人が、35年2月に第一次アメリカ遠征に出ており(各地で109試合を行い、75勝33敗1分の成績で帰国)、帰国後も日本国内で実業団チーム相手に転戦、36年も2月から第二次アメリカ遠征に出ていたためだ。

 この間にほかに6チーム(タイガース、名古屋、セネタース、阪急、大東京、名古屋金鯱)が誕生し、日本職業野球連盟が結成。36年4月から5月にかけて、記念大会が甲子園、名古屋、宝塚の3地区で行われたが、渡米中の巨人は参加しなかった。6月に帰国すると、7月1日から東京・戸塚で行われた「第1回全日本野球選手権大会」に初参戦し、各チームの公式戦はここから始まることとなる。

 ただ、アメリカで腕を磨いた巨人は、1回戦でいきなり名古屋に8対9で敗戦。この大会では敗者復活制度を採用しており、2日後の大東京戦に勝利してようやく初勝利を挙げた。しかし、翌4日の名古屋金鯱戦に敗れると、7日からの大阪大会、名古屋大会では1勝もできず。その後、日本一22回、リーグ優勝46回を成し遂げるチームの船出は、厳しいものだった。

文=坂本匠 写真=山口高明
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