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プロ野球回顧録

掛布雅之、張本勲、川上哲治……歴代強打者たちの「打撃金言集」

 

一流と呼ばれた強打者たちの打撃観は、いつの時代も独特な言葉で語られてきた。ここではベースボール・マガジン社発行の『週刊ベースボール』『ベースボールマガジン』などの記事やインタビューから打撃に関する珠玉の“金言”をピックアップ。目からウロコのバッティング向上のヒントがここにある!


・掛布雅之(元阪神)

「時代が変わっても『レベルスイング』は不変」

 ミスタータイガースの打撃理論の骨子にあるのはレベルスイング。ヒザ、腰、肩を地面に対して水平に軸回転し、バットに巻き付くようなスイングが理想と語った。


・内川聖一(ソフトバンク)

「グリップの上からバットの先端まで、全部使える方がいい」

 シーズン中は20本近くのバットを折る。7年連続打率3割という右打者では落合博満氏以来2人目の大記録を達成したヒットメーカーだが、「キチンと芯で打てるに越したことはないですが、当たりが良かろうがどん詰まりだろうが、ヒットはヒット」との割り切った思考が、多くのヒットを生んでいる。


・川上哲治(元巨人)

「ボールが止まって見えた」

 1950年、スランプに陥った川上は、真夏の多摩川グラウンドで打ち込みを敢行。そのとき、境地に辿り着いた。「今の表現で言えばゾーンに入り込んだ状態。仏教で『同行二人』という言葉があるが、欲得のある生身の人間と欲得の世界を超えた人間、その“もう一人の川上哲治”が球が止まって見える感覚をつかんだわけです」。その後51、53、55年と首位打者を獲得した。

巨人・張本勲


・張本勲(元巨人ほか)

「長打があり、確実性があり、そして凄みがある。それが最強打者だよ」

 現役時代に7度の首位打者を獲得し、日本最多の3085安打を記録した張本勲が語る最強打者の定義に最終的に必要なのは「凄み」と口にした。


・山本浩二(元広島)

「全部積み重ねの結果。ワシは天才なんかじゃないからな」

 1977年に44本塁打。それまでの最多30本からの大きな伸びについて質問され、「やっぱり、積み重ねさ。良いスイングをする確率が上がった。野手の隙間を抜くような当たりがスタンドまで届くようになっただけ。基本は変わっとらん」。普段からのスイングに加え、投手のクセを見抜くため、普段の仕草も丹念に観察してメモを取っていた。

巨人・篠塚和典


・篠塚和典(元巨人)

「大事なのは、どういうバットで対応したほうが、自分のバッティングができるか」

 他選手と比べてヘッドの細いタイプのバットを用いていた篠塚氏。「感覚的なものだから、持って、見て、使えると思ったものを使った」という。自分のバッティングスタイルと対戦するピッチャーをイメージして、どんなバットがいいかを考えていた。


「インパクトで力を伝えるには、力を抜け!」

 弱冠17歳の若さで近鉄に入団した強打者だった土井正博。西武黄金期に打撃コーチとして多くの名選手を輩出した同氏が語る打撃理論。ホームランを打とうと、最初から力を入れっぱなしでは肝心なインパクトで力が抜けてしまう。だから最初から抜いておくのがコツなんだと語った。

写真=BBM
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