中日の
アリエル・マルティネス捕手が活躍中だ。キューバ出身の24歳。育成枠3年目の今季、7月1日に待望の支配下登録。そのわずか2日後に一軍デビューを果たした。
外国人捕手の出場は20年ぶりのこと。その20年前も実は同じ中日だった。オーストラリアのデーブ・ニルソン。登録名がディンゴだったと言えば、思い出すファンもいるだろう。
ディンゴは現役バリバリのメジャー・リーガーだった。1992年にミルウォーキー・ブリュワーズに入団し、長く正捕手を務めた。
野茂英雄とバッテリーを組んだこともある。
20年前の2000年はシドニー五輪の開催年。ディンゴの夢は地元開催の五輪に代表として出場することだった。それを許さなかった
ブルワーズを退団し、許した中日に入団したのだった。
シーズン途中の五輪期間中はチームを離れる。「それまでバリバリに打ちまくるさ」と語っていたディンゴだが、開幕してまもなく打撃不振で二軍落ちとなった。
捕手としての出場はわずか1試合。中日の正捕手には
中村武志がおり、主にレフトを守った。チームが期待していたのは捕手としてではなく、その豪快な打撃だったのだが……。
ディンゴが日本で残した成績は18試合の出場で、打率.180、1本塁打、8打点。まったくの期待外れだった。五輪が開催される前の7月28日の
巨人戦(ナゴヤドーム)が最後の出場となった。
母国を愛するディンゴは現在、オーストラリアの代表監督を務めている。ディンゴ監督の眼には、現在のマルティネスの活躍はどのように映っているだろうか。
ちなみにディンゴという登録名は本人のニックネーム。オーストラリアに生息する野犬の一種のことである。
写真=BBM