かつてはクリーンアップが強打者というイメージだったが、現代野球は六番にもタイトルホルダーや四番を打っても不思議ではない強打者を置くケースが珍しくない。
中村剛也、
宮崎敏郎、
ロメロ……リーグ優勝を狙う上で、「恐怖の六番打者たち」の活躍がチームの命運を大きく握っている。
通算成績は2019年現在 ●中村剛也(西武)
※通算成績1664試合出場 打率.256、415本塁打、1166打点
本塁打王6度、打点王4度を獲得した稀代のホームランアーティスト。長らく四番を務めてきたが、2018年から
山川穂高に明け渡す形になった。昨年は山川の打撃不振でシーズン後半は四番を務めたが、スタメンの打順別では六番が56試合出場と最多。史上5人目となる3度目のシーズン120打点をマークし、タイトルを獲得した。今年も主に六番で山賊打線のポイントゲッターになる。
●宮崎敏郎(DeNA)
※通算成績581試合出場 打率.303、72本塁打、233打点
2017年の首位打者。バットを投手側に傾けてタイミングを取る独特の打撃フォームからフルスイングでパンチ力もある。50三振以上したシーズンがないという数字がミート能力の高さを物語っている。クリーンアップを打てる資質を十分に備えているが、今季は
ソト、
オースティン、ロペスと外国人3人を起用しているチーム事情もあり、六番でのスタメン出場が多い。開幕から好調でハイアベレージをキープ。今年も2度目の首位打者に輝く可能性は十分にある。
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ステフェン・ロメロ(楽天)
※通算成績303試合出場 打率.268、69本塁打、192打点
オリックスで3年間プレー。来日通算69本塁打と主軸として活躍した実績を評価され、楽天に加入した。オリックスでは昨年チーム最多の60試合で四番を務めたが、新天地の今季は六番に固定されている。開幕から打撃好調で首位を快走するチームに大きく貢献。オリックスではシーズン途中の故障で毎年戦線離脱していたが、シーズンを通じて試合に出続ければ打率3割、30本塁打は達成可能な数字だ。
●中村奨吾(ロッテ)
※通算成績590試合出場 打率.249、45本塁打、194打点
持っている潜在能力を考えればまだまだ物足りない。2018年に打率.284、7本塁打、39盗塁をマーク。昨年は打率.232、17本塁打、12盗塁と本塁打数は倍増したが、打率を大きく落とした。
鈴木大地が楽天にFA移籍し、チームリーダーとしても期待される6年目の今季は開幕から六番で固定されている。中村が打率3割、20本塁打、20盗塁をマークすれば、チームの得点力も大きく上がるだろう。
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アデルリン・ロドリゲス(オリックス)
マイナー通算174本塁打。日本野球に適応できれば、大化けする可能性を秘めた助っ人だ。2018年オフにロッテの入団テストを受けたが不合格に。日本で成功したいハングリー精神は強い。6月の練習試合では特大アーチを連発し、強打者の片りんを見せた。六番を託されたオリックスの「A-Rod」が打線のキーマンだ。
写真=BBM