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川口和久WEBコラム

カープ8回の男、塹江敦哉が楽しみだ/川口和久WEBコラム

 

心配はジョンソン


初勝利の塹江と佐々岡監督


 少し前になるが、7月8日は俺の誕生日。早いもので61歳になった。

 この日、球場での仕事がなかったので、テレビで広島DeNA(マツダ広島)を見たが、いい試合だった。特に試合を決めた広島・堂林翔太の満塁弾にはしびれた。
 以前、今年の堂林に期待したい、と書いた。ずっと期待されながら、なかなか芽が出なかったが、今年は構えからゆったりし、自信が伝わる。

 技術面もそうだが、大きいと思うのが気持ちだ。「自分が決めるとは考えていない」と言っていたのを聞いて成長を感じた。自分で決める、という欲もいいのだが、それがマイナスになるタイプもいるからね。

 もちろん、バッティングは水物。これから打てない時期も必ずあると思うが、今の気持ちを忘れないでほしい。

 ただ、今年はホームランが多すぎる。最初は無観客だとリラックスできるのがいいのかと思ったが、間違いなく、ボールが飛び過ぎだ。ファンは打撃戦が好きだからいいといえばいいのだが、やっぱり投手OBとしては、しっかり打ったときにこそ、ホームランになってほしい。打ち取ったはずの、こすったり、当てただけの打球が入ってしまうのはフェアじゃないと思う。
 満塁本塁打が多いのも長打を警戒し、コースを狙い過ぎて四球を出し、塁にためてしまうこともある。


 話を広島に戻すが、問題は佐々岡真司監督が本職の投手陣だ。特にブルペン陣、スコットが落ち、今は塹江敦哉が8回、菊池保則が9回で組み直している。
 悪くない選択だと思う。特に塹江がいい。マウンド度胸があって、どんなピンチでも、のほほんと平然に投げるスタイルがいい。球威もあるし、あとは変化球の使い方かな。

 菊池は万全じゃないが、今の野球は9回より8回のほうが大事だと思っている。塹江が踏ん張っているうちに菊池が覚醒してほしい。

 あとはきょう先発のK.ジョンソン。俺は彼がカープに入ったとき、ピッチングを見て鳥肌が立った。同じサウスポーとして、こんな奴がいるんだ、すごいと思った。
 でも、今は見ていて腹が立つ。自分のピッチングじゃなく、審判のジャッジにイライラしてばかりで、見苦しい。
 彼については、また別の機会に(文句を)書きたい。
 ジョンソンがきょう素晴らしいピッチングをし、みんなから「なんだ川口、見る目ないな」と言われるようなら、カープも上がってくるはずだ。

写真=BBM
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