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ウィーラー、堂林翔太、福留孝介…セ・リーグ6球団「六番打者事情」

 

読売ジャイアンツ



 五番以降の打順は相手先発投手との兼ね合いなどで変わることが多く、開幕から7月26日終了時点で六番には7人が先発起用されている。最も多いのが中島宏之の11試合で、G.パーラの9試合、陽岱鋼の4試合と続き、最近では6月末に楽天から移籍のZ.ウィーラーが座ることが増えてきた。この4人の六番打率は総じて良く、順に.300、.323、.286、.429だ。ここのところ五番を打つことが増えた大城卓三が五番打率.469と好調で、例えば初回に5点を奪って試合を優位に進めた7月26日のヤクルト戦(神宮)も、五番・大城が犠飛で3点目を奪ったあと、ウィーラーが二塁打でつないだことで、七番・吉川尚輝の2ラン本塁打が飛び出すなど、切れ目のない分厚い攻撃を可能としている。

広島東洋カープ



 広島では、7月27日時点で最も多くスタメンで六番を打っているのは會澤翼だが、最近は一番から下がってきたピレラが入って満塁弾を含む2試合連続弾を放つと三番へ移動、今度は三番から下がってきた堂林翔太が六番に入る、というように、上位打線で少し調子が下がった選手がラクに打って調子を取り戻すための打順ともなっている。ここまで六番でスタメンの選手の打率は.296と好調。今後も、現在のような形に、調子を取り戻してきた會澤を加えたメンバーが中心になると予想されるが、四番に鈴木誠也がいて、五番の松山竜平も好調だけに、六番に多くチャンスが回る状況はしばらく続きそう。これからも打線の得点力のカギを握る打順になりそうだ。

阪神タイガース



 球界最年長の43歳になっても打席での雰囲気はスキを見せない。7月26日の中日戦(ナゴヤドーム)では「六番・右翼」でスタメン出場。8回表に2対3と追いかける中で二死一、二塁から左前に同点適時打を放った。「前の打者のボーアが勝負避けられた感のある四球だったんで。ちょっと気合入れてじゃないけど、ナメられてたまるか」と意地を見せた。ボーアとサンズの加入などもあり、スタメンを外れることも多くなった。そのときの六番には梅野隆太郎が入っていたが、やはり福留が入ることで打線のリズムが作り出される。打率.220ながら得点圏打率は.400と勝負強さに衰えはまったくない。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・山崎晃大朗


 7月27日現在、山崎晃大朗がチーム最多13試合で六番に座る。外野の開幕スタメンこそ同級生の塩見泰隆に譲ったが、代走や代打で存在感を示すと、スタメンにも名を連ねるようになった。課題だった打撃は進化を遂げ、特に対左投手の打率は.423と飛躍的に成長した。今季初のお立ち台に上がった7月9日の中日戦(ナゴヤドーム)では、1点ビハインドの9回一死二、三塁で山田哲人が敬遠で勝負を避けられると、満塁のチャンスで勝ち越しの2点適時打を放った(この試合では三番)。勝負強さ、しぶとさも見せるようになった山崎は、三番や五番などクリーンアップを任されることもあるが、下位でも上位でもいぶし銀の輝きを放っている。

横浜DeNAベイスターズ



 クリーンアップとの兼ね合いで、固定されていない。32試合を終えて、宮崎敏郎が17試合でスタメン出場しているが、ここ数試合は調子の上がらないソトを六番に置き、宮崎が五番に入るとことが多い。ほかには、戸柱恭孝、ロペス、乙坂智中井大介柴田竜拓も六番に座っている。日替わりで入れ替わることが多い打順ではあるが、四番の佐野恵太が出塁率.423と高いだけに、六番は走者を置いて打席に立つ可能性が高い。ベイスターズの得点力に直結する、打線のカギとなるポジションといえよう。

中日ドラゴンズ


中日・阿部寿樹


 開幕から六番に座っていたのは阿部寿樹だったが、打線がつながらず、アルモンテ高橋周平らの戦線離脱もあり、現在の六番は京田陽太が務めることが多くなっている。ただ、打撃が向上したとはいえ、足のある京田は本来、六番向きのタイプではなく、ここにチームの現状と苦悩が見てとれる。チーム状態が万全なら、やはり勝負強い阿部を六番に据えたいところ。昨シーズン終盤は四番からビシエド、高橋、阿部を固定し、打線につながりができた。今は六番に限らず、打線は日替わり状態が続いている。32試合を消化してチームは借金7、打率.248はリーグ5位。我慢のしどころだ。

写真=BBM
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