今季の
DeNA打線を支えているのが、
筒香嘉智の後継者として今シーズンから四番に指名された
佐野恵太だ。昨シーズンは89試合に出場して打率.295、5本塁打だったが、今年は35試合終了した時点で打率.341、4本塁打と活躍中。そんな佐野はなんとドラフト9位と下位順位で入団した選手だ。では、同じように下位指名ながら打線の中心を任されている選手は他にいるのだろうか? 「主軸選手のドラフト順位」を調べてみた。
下位指名選手が輝くDeNA
まずセ・リーグから、現在打線の主軸(クリーンアップ)を任されている選手、また今季これまでに任されることの多かった選手をピックアップ。このうち、日本人選手のドラフト順位を調べてみた。
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巨人 三番:
丸佳浩(ドラフト3位)
四番:
岡本和真(ドラフト1位)
五番:
大城卓三(ドラフト3位)
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ヤクルト 三番:
青木宣親(ドラフト4位)
四番:
村上宗隆(ドラフト1位)
五番:
西浦直亨(ドラフト2位)、
山崎晃大朗(ドラフト5位)
●DeNA
三番:
ネフタリ・ソト 四番:佐野恵太(ドラフト9位)
五番:
ホセ・ロペス、
宮崎敏郎(ドラフト6位)
●阪神
三番:
ジェリー・サンズ 四番:大山悠輔(ドラフト1位)
五番:
ジャスティン・ボーア ●
広島 三番:
堂林翔太(ドラフト2位)、
西川龍馬(ドラフト5位)
四番:
鈴木誠也(ドラフト2位)
五番:
松山竜平(ドラフト4位)
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中日 三番:
阿部寿樹(ドラフト5位)
四番:
ダヤン・ビシエド 五番:
高橋周平(ドラフト1位)
佐野以外では、同じくDeNAで主に五番を打つ宮崎が、2012年のドラフトで支配下選手ではチーム最下位の6位で指名された新人選手。しかし、1年目からクリーンアップに定着する活躍を見せ、低評価を覆した。また、広島の西川龍馬、ヤクルトの山崎晃大朗、中日の阿部寿樹は5位指名で入団した選手。通算打率が歴代首位のヤクルト青木宣親も4位指名での入団だ。
とはいえ、16人中9人は3位指名以内。1位指名も4人と、打線の主軸にはやはり上位指名の選手が多い。特に巨人の岡本和真、ヤクルトの村上宗隆は共に1位指名で入団し、現在はチームを支える四番に成長。阪神の大山悠輔も1位指名で入団した選手で、今季は主砲にふさわしい活躍を見せている。
パ・リーグは1位指名選手の活躍が目立つ
続いてパ・リーグ6球団の主軸選手のドラフト順位をまとめてみた。
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ソフトバンク 三番:
柳田悠岐(ドラフト2位)
四番:
中村晃(ドラフト3位)
五番:
栗原陵矢(ドラフト2位)
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楽天 三番:
茂木栄五郎(ドラフト3位)
四番:
浅村栄斗(ドラフト3位)
五番:
島内宏明(ドラフト6位)
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西武 三番:
森友哉(ドラフト1位)
四番:
山川穂高(ドラフト2位)
五番:
外崎修汰(ドラフト3位)
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ロッテ 三番:
清田育宏(ドラフト4位)、
菅野剛士(ドラフト4位)
四番:
ブランドン・レアード、
安田尚憲(ドラフト1位)
五番:
井上晴哉(ドラフト5位)
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日本ハム 三番:
近藤健介(ドラフト4位)
四番:
中田翔(ドラフト1位)
五番:
渡邉諒(ドラフト1位)、
清宮幸太郎(ドラフト1位)
●オリックス
三番:吉田正尚(ドラフト1位)
四番:
アダム・ジョーンズ 五番:T-岡田(ドラフト1位)
パ・リーグのチームでは、楽天の島内宏明がドラフト6位指名ながら主力に成長。打線に欠かせない存在になっている。また、「アジャ」ことロッテの井上晴哉も5位指名で入団した選手だ。同じくロッテは、三番に立つことの多い清田育宏と菅野剛士が共に4位での入団。7月後半から四番に指名された安田尚憲はドラ1選手だが、ロッテのクリーンアップはドラフト4位以下の選手が多い。
上位指名では1位が7人、2位が3人、3位が4人と1位指名が最多。特に日本ハムとオリックスはチームを支える主砲がいずれもドラフト1位選手だ。セ・リーグと比べると、現状ではパ・リーグの方が1位指名選手が主軸を任されることが多いようだ。
打線を支える選手のドラフト順位を調べてみたが、DeNAの佐野より下位というケースはさすがになかった。佐野は2016年の指名では87人中84番目で、セ・リーグでは最後の指名。間違いなく上位指名選手より評価は低かったが、その評価を大きく覆したといえる。
果たしてドラ9選手が並み居るドラフト上位選手を蹴散らしてタイトルを獲得するか、今シーズンは佐野のバッティングに注目してみてはいかがだろうか。
文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM